韓経:「日本の下請け基地」台湾の反転…1人当たり所得で「韓国を追い抜く」迫る

  • 2021年2月19日

台湾の経済が変わっている。台湾は中国のけん制を受け、日本大企業の「下請け基地」として役割を果たしながら20~30年間低成長から抜け出せずにいた。このため、1人当たり国民所得が2003年韓国に遅れをとって以来、格差が広がってきた。だが、最近になって様相が変わっている。台湾の経済成長率が2019年、2020年2年連続で韓国を抜いたことに続き、今年も韓国を上回るものと予想された。2024年ごろには台湾の1人当たり国民所得が韓国を追い抜くだろうという観測も出ている。

18日、台湾統計庁と韓国銀行によると、台湾の実質経済成長率は2019年2.96%、2020年2.98%に同期間それぞれ2.0%、マイナス1.0%となった韓国を上回った。台湾統計庁は今年台湾の成長率が3.83%になると見通した。韓国の今年成長率見通しである3.0%(韓銀展望値基準)を大きく上回る。

成長速度が速いため、台湾の1人当たり国民所得(GNI)も急速に高まっている。2018年2万6421ドルから2019年2万6594ドル、昨年2万9205ドルに上がった。

韓国との所得格差も縮まっている。韓国の1人当たり国民所得は2003年史上初めて台湾を追い抜いて以来ずっと上回った。だが、韓国は2018年3万3563ドル、2019年3万2114ドル、昨年3万1000ドル(推定値)程度へと毎年減少した。

台湾の台頭は米中紛争の反射利益を得た効果が大きいという分析だ。2016年蔡英文総統が「台湾独立と反中」を掲げて当選し、2017年執権したドナルド・トランプ米大統領が中国と紛争を起こて日本、米国などのグローバル企業のうち一部が生産基地を中国から台湾に移した。アップルが昨年AirPods、iPad、Apple Watchの生産施設を台湾に移転したのが代表的だ。

台湾経済の成長はTSMCなど半導体企業が導いている。台湾の半導体企業の昨年輸出額は2019年比22%増えた1220億ドルだ。昨年台湾全体の輸出額の3分の1水準だ。TSMCの善戦を踏まえて昨年台湾の輸出額は前年比1.6%増えた。韓国の昨年輸出額が2.5%減少したことに対比される。TSMCの時価総額は昨年半導体の受託生産需要が急増して18日現在5685億ドル(約60兆円)に達する。4973億ドルのサムスン電子を大きくリードしている。

台湾政府は半導体など情報技術(IT)産業を政策的に育成している。国土全体を「シリコン島(Silicon Island)」に作ろうという計画の下に、1990年代後半から半導体などIT産業に数十兆ウォンを投資した。半導体協会のアン・ギヒョン常務は「台湾政府は1980年から米国シリコンバレーの優秀な華僑人材を誘致するために相当な努力を注いで成果をあげた」と話した。

台湾と米国の蜜月関係も経済成長に大きな力になった。米中紛争以降、米国ファブレス(半導体設計専門企業)AMD、NVIDIA、MediaTekなどがTSMCに半導体物量を集中的に取り引きしている。

成功的な防疫も台湾成長の流れを後押しした。この日、台湾の新型肺炎累積感染者は938人で韓国(8万5567人)の「90分の1」水準だ。台湾の強固な「外貨安全弁」も安定的成長の踏み台になった。昨年末、台湾の外貨準備高は5299億ドルで世界6位だ。9位である韓国(4431億ドル)に比べて900億ドル多い水準だ。豊かな外貨資産のおかげで為替など金融市場の変動性が大きくなかった。世界金融市場が波打つと、海外の株式など対外資産を売って台湾ドルに両替しようとする台湾機関・家計の需要が大きかったためだ。

台湾はかつて強小型企業中心から大企業中心に産業が再編されている。TSMCだけでなく、フォックスコン、台湾プラスチックグループ、HTC、ASUS、MediaTekなど大企業が大きく増加した。専門家は世界的な競争が激化するときは資金力とネットワークを備えた大企業を多数保有した経済が生存に有利だと評価している。