韓経:米国踏み越えて「スパコン1位」に上がった日本…韓国は4段階下落

  • 2021年2月18日

韓国科学技術情報研究院(KISTI)の職員が人工知能(AI)技術高度化に必須のスーパーコンピュータ「ヌリオン」の性能を点検している。キム・ヨンウ記者

子どもから各界の重鎮までだれもが人工知能(AI)を口癖のように話しながら享受する時代だ。新型コロナウイルスの感染拡大でデジタル転換が加速化し、デジタル技術の総和であるAIに対する関心がいつになく高い。AIはアルゴリズム、超高速通信、高性能コンピューティング(スーパーコンピューティング)の3拍子がそろってこそまともにその性能を発揮する。果たしてわれわれはAIについてどれだけ知っているだろうか。

◇日米中のAI角逐戦に名刺も差し出せず

あまり知られていないが、昨年末にAI高度化のカギであるスーパーコンピュータの歴史で重要な事件があった。日本の理化学研究所と富士通が共同開発した「富岳」が世界スーパーコンピュータトップ500でこれまで不動の1位だった米IBMの「サミット」を抜いてトップに躍り出たのだ。

どうにか勝ったのではない。実測性能442ペタフロップス(1秒当たり44京2000兆回の演算)で、サミットの148.6ペタフロップスの3倍に達する性能を実現し米国を完全に踏み越えた。体面を台なしにされた米国は来年に1秒当たり100京回の演算が可能なエクサフロップス級スーパーコンピュータ「フロンティア」を発表すると公言した。欧州連合(EU)も富岳を上回るエクサ級スパコンを2022~2023年ごろに発表するという。

韓国はどうだろうか。こうしたスーパーコンピュータ性能競争に名刺も差し出せずにいる。韓国科学技術情報研究院(KISTI)が保有する韓国最高のスーパーコンピュータ「ヌリオン」は13.9ペタフロップスで順位は昨年11月基準21位にとどまった。昨年6月の17位から5カ月で4段階下落した。政治指導層が立ち上がって克日やAI強国と叫んでいるが実状は正反対だ。

新型コロナウイルス克服過程で各国のスーパーコンピュータはわれわれが想像する以上に多大な役割をした。AI基盤の演算能力は新型コロナウイルス治療剤とワクチン候補物質探索時間短縮に決定的に寄与した。「計算顕微鏡」と呼ばれるスパコンシミュレーションはウイルスと薬品の相互作用を原子単位で追跡する。

IBMをはじめ、米航空宇宙局(NASA)、人類最初の原子爆弾の産室であるロスアラモス国立研究所、マサチューセッツ工科大学などが参加する新型コロナウイルスコンピューティングコンソーシアムはこうした成果に基づいて昨年末「今後半年間患者に恩恵を与えられる運営に集中する」と発表した。

KISTIスーパーコンピューティングインフラセンター長のホン・テヨン氏は「ヌリオンの能力の40%を分子動力学など化学・バイオ分野に使っている。ノーベル化学賞常連受賞国の日本の底力は結局1位に上ったスーパーコンピューティングインフラと関係がなくはない」と説明した。

◇基礎科学投資はむしろ後退

破壊的科学技術の基本となる基礎科学分野投資はむしろ後退している。2019年の政府研究開発統計を見ると、数学、物理、化学など5大基礎科学に対する投資額は2兆3774億ウォンで、5年前の2015年の2兆4738億ウォンよりむしろ4%減った。同じ期間に研究開発投資額が17兆5199億ウォンから19兆2597億ウォンに10%増加したのと対照的だ。

選択と集中なく、小額の課題を分け合う構造が深刻化しているのも問題と指摘される。2019年の政府研究開発課題1件当たりの研究費は3億1214万ウォンで、5年前の3億7272万ウォンより17%ほど減少した。これに対し課題の数は同じ期間に4万7005件から6万1701件に31%増えた。来年過去最大で編成された政府研究開発予算27兆ウォンに対しても懸念の声が高まっている理由だ。韓国工学翰林院のクォン・オギョン会長は「使われることもない技術を開発する現在の政府研究開発の構造は問題がある。核心特許創出などを評価し予算を差等配分する成果中心モデルに変えなければならない」と指摘した。

基礎科学競争力を高めるためには研究者の業績を論文掲載ジャーナルのインパクトファクター(IF)と論文数で把握する評価基準を変えるべきという声も多い。論文の被引用数を論文掲載数で割ったIFは「すでに確立された」分野で論文がどれだけ活用されているかを示す。新しい市場を創出する革新的新技術を主題にした論文を評価するには不適切な指標だ。数学を結合した理論化学である「数理化学」の国内開拓者に挙げられる中央大学化学科のソン・ジェヨン教授は「基礎科学を定量化して評価すれば革新技術を開発する研究者が生き残りにくい。韓国の科学界が宗教のように信奉するIFに代わる評価基準を設けなければ韓国の基礎科学は永遠に発展できないだろう」と話した。