韓経:ポスコ「石炭の代わりに水素で鉄作る」

  • 2021年1月18日

ポスコ浦項製鉄所の従業員が17日に大気中の窒素酸化物排出量を大幅に低減する設備である親環境焼結機(SCR)について説明している。[写真 ポスコ]

世界の鉄鋼会社が「気候悪党」という汚名をそそぐために全力を挙げている。先を争ってESG(環境・社会・ガバナンス)経営を宣言し、脱炭素に乗り出す様相だ。

鉄鋼は温室効果ガスや粒子状物質など環境汚染物質を最も多く排出する産業のひとつに選ばれる。鉄鉱石から酸素を除去する還元工程では炭素の塊である石炭を使うため多量の二酸化炭素排出が避けられない。

世界鉄鋼協会によると、鉄鋼1トンを生産すると平均1.85トンの二酸化炭素が排出される。世界の企業の二酸化炭素排出で鉄鋼企業が占める割合は25%に達する。韓国も状況が似ている。環境部が集計した2019年の二酸化炭素排出1位はポスコの8148万トン、2位は現代製鉄の2224万トンだ。

各国政府は鉄鋼のように「胎生的限界」が明確な分野の企業にこれ以上配慮しにくいという立場だ。最初に刀を抜いたのは欧州連合(EU)だ。2023年から国境炭素税を導入するという方針を打ち出した。自国の輸出企業が炭素排出を減らすために使った費用は補助金で支援し、炭素を多く排出する企業が製造した輸入品には負担金を払わせることが核心だ。20日に就任するバイデン次期米大統領も炭素排出が多い国と企業の製品に追加関税を課すことを検討していることがわかった。業界関係者は「現在と同じ生産方式ではこれ以上米国と欧州市場に鉄鋼を輸出しにくい状況が発生するかもしれない」と話した。

鉄鋼企業が見つけた代案は水素だ。ポスコは先月11日に水素還元製鉄工法で炭素排出量を画期的に減らし、2050年までにカーボンニュートラルを達成すると宣言した。鉄鉱石を溶かし銑鉄を得るときに石炭ではなく水素を使うという意味だ。水素製鉄に向けては水素サプライチェーンの構築が必須だ。ポスコはオーストラリアの鉄鉱石生産会社フォーテスキュー・メタルズ・グループ(FMG)と組んでグリーン水素生産プロジェクトに参加する計画だ。

世界最大の鉄鋼メーカーであるアルセロール・ミッタルも水素製鉄を目標に掲げている。鉄鋼工程の副産物であるコークスガスから出る水素を高炉に注入する方式をスペインのアストゥリアス製鉄所に導入することにした。来年にはドイツに水素製鉄実証プラントを建てる。日本の三菱重工業もやはり来年欧州で世界最大規模の水素製鉄設備の試験稼動に入る予定だ。

水素製鉄は万能ではない。高い水素を使わなければならないため価格競争力が落ちる。世界最大の鉄鋼生産国の中国が水素還元工法に参加していないのも問題だ。業界関係者は「水素還元製鉄工法はまだ理論的段階で実際の工程に採用するには20年ほどかかるだろう。開発の速度を高めるには政府レベルの支援が必要だ」とした。