韓経:AI半導体「100兆ウォンM&A戦争」…サムスン「人工神経回路網」に注力

  • 2020年10月22日

エヌビディアのARM買収、SKハイニックスのインテルNAND型フラッシュメモリー部門買収、AMDのザイリンクス買収…。

世界半導体業界の版図を揺るがす「超大型契約」だ。この契約には共通点がある。人工知能(AI)関連半導体事業の強化に向けた「ベッティング」という点だ。サムスン電子などグローバル半導体企業は2030年に130兆ウォン(約12兆円)規模に拡大すると予想されるAI半導体市場の獲得に向け、数十兆ウォンをM&A(企業の合併・買収)、研究開発(R&D)に投入している。

◆相次ぐ半導体大型M&A

市場調査会社ICインサイツによると、今年に入って現在までグローバル半導体産業のM&A規模は720億ドル(約7兆5000億円)にのぼる。米グラフィック処理装置(GPU)専門会社エヌビディアが400億ドルで英ARM買収を決定し、SKハイニックスが90億ドルでインテルのNAND部門買収を決めたのが代表的な例だ。

7月には米アナログ半導体(光・音などの信号をデジタル信号に変換するチップ)専門のアナログ・デバイセズが、同じ業種のマキシム・インテグレーテッドを200億ドル以上で買収することにした。中央処理装置(CPU)専門企業AMDはザイリンクスを300億ドルで買収するために最終交渉をしている。契約が実現すれば今年のM&A規模は100兆ウォンを超える。

◆AI半導体がM&Aのキーワード

今年に入って締結済みまたは締結推進中の大型契約には「AI半導体」という共通のキーワードがある。AI半導体はAIサービスの実現に必要な大規模な学習・推論・演算などを実行する半導体で、CPUなどと共に作動する。市場調査会社ガートナーと情報通信政策研究院によると、グローバル市場規模は今年の184億ドルから2030年には1179億ドルに拡大する見通しだ。

半導体企業は異種企業との合従連衡を通じて初期AI半導体市場の主導権を握ろうとしている。自社製品で不足するAI性能を他の製品で補完しようということだ。ザイリンクス買収を進めるAMDは、一般パソコン用CPUではインテルと肩を並べるが、データセンターサーバー用CPU市場ではシェアが2%程度にすぎない。

最近データセンターの核心競争力はAIを通じたデータ処理能力で生じる。ザイリンクスの主要製品はデータセンターなどで大容量データを処理する速度を高める「AIアクセラレーター」だ。この技術がCPUと結びつけばAMDの製品の競争力は非常に高まる。ウォールストリートジャーナルは「AMDのザイリンクス買収の動きはデータセンター用製品市場の競争力強化が目的」と分析した。

エヌビディアのARM買収目的もAI半導体事業でのシナジー創出だ。エヌビディアはAI関連の半導体技術を設計専門のARMに移植し、自動運転やモノのインターネット(IoT)市場を狙うと、業界は予想している。エヌビディアのジェン・スン・フアン最高経営責任者(CEO)は「エヌビディアのAI・グラフィック技術がARMの生態系と結びつき、知的財産権(IP)のポートフォリオを拡大するの役に立つだろう」と述べた。

◆SKハイニックス、SSD需要増加に期待

韓国半導体企業もAI半導体開発および性能向上に力を注いでいる。サムスン電子は米国のオースティン・サンノゼなどのR&D組織で常時、AI半導体の一種である神経網処理装置(NPU)の開発者を採用している。NPUは人工神経網(人間の神経網を模したAI学習技法)で学習する「ディープラーニング」実行に最適化された半導体だ。

現在NPUはスマートフォンの頭脳の役割をするアプリケーションプロセッサ(AP)に入り、スマートフォンの映像・音声認識などAI基盤機能に活用される。例えば写真を撮影する際、明るさなど周辺環境を認識して最適な設定にする。サムスン電子はNPUの活用範囲が自動運転車などに拡大すると判断し、事業拡張を進めている。

SKハイニックスもインテルから買収することにした企業用SSD(データ記憶装置)事業を通じてAI半導体産業の成長の波に乗る準備をしている。データセンターのAI機能が強調され、データ処理速度が速いSSDの需要も増加するためだ。