韓経:上昇する人民元にウォンも乗った…1140ウォン台入り「秒読み」

  • 2020年10月12日

9日に人民元の基準相場が1ドル=6.7796元と告示されるなど人民元の価値が1年5カ月来の高値水準となった。人民元が急騰しウォンもともに上昇している。ハナ銀行の偽造変造対応センターで職員が人民元をチェックしている。[韓経DB]

ウォン相場が超強気だ。ウォン・ドル為替相場は先週1年5カ月ぶりのドル安水準となった。人民元が急騰した影響を受けたというのが専門家らの分析だ。中国が韓国の最大貿易相手国であるためウォンと人民元がはっきりと同調現象を見せているという診断だ。外国為替市場では中国の実体経済の回復傾向が明確な上に11月3日の米大統領選挙で民主党のバイデン候補が勝利する可能性が高く、人民元高がさらに進むとみている。このためウォン・ドル相場も近く1ドル=1140ウォン台に進入すると予想している。

◇人民元、17カ月来の高値水準

中国の中央銀行に当たる人民銀行は9日に対ドルの人民元基準相場を0.0305元(0.45%)の人民元高となる1ドル=6.7796元と告示した。香港域外市場ではすでに6.6元台に入り込んだ。人民元の価値は昨年5月以降で最高値だ。人民元相場は5~7月まで1ドル=7元前後だった。

人民元価値が上昇しているのは中国の実体経済回復傾向が著しい結果だ。先月中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.5で、前月の51より上昇しただけでなく、基準値の50を7カ月連続で上回った。同月の非製造業PMIは55.9で2013年11月の56から7年来の最高値となった。8月の中国の小売り販売が前年同月に比べ0.5%増えるなど今年初めての増加傾向を示したりもした。内需回復の流れにより中国国債を買い入れようとする海外投資家の需要が大きくなるなど、人民元の両替需要が増えたという分析が出ている。

バイデン候補当選への期待が大きくなったのも人民元の価値に影響を及ぼした。バイデン候補は普段からトランプ政権の対中関税政策に否定的だったため、大統領になれば米中対立が緩和されるものと市場はみている。人民元価値がさらに上がるのは当然のことだ。

バイデン候補が強力な浮揚策カードを切るという期待も対ドルで人民元の価値を押し上げた材料として作用した。彼は気候変動に対応して任期4年の間に2兆ドルを投資するという内容の大統領選挙公約を発表した。製造業サプライチェーン拡充に4年間で7000億ドルの予算を投じるという内容も公約に含まれた。米国の第5次景気浮揚策規模をめぐりバイデン候補が属する民主党がトランプ政権に比べさらに果敢な対策を提示したのも注目に値する。バイデン候補が当選後に財政費用をさらに増やす可能性が高まり、これに伴い米国の財政赤字が拡大すると同時にドル安圧力を受けるだろうとの分析が出ている。

◇外為当局の介入あるか

人民元の高騰によりウォンも急騰した。9日のソウル外為市場は4.90ウォンのウォン高ドル安となる1ドル=1153.30ウォンで取引を終えた。終値基準で昨年4月24日の1150.90ウォンから1年5カ月来のドル安水準だった。為替相場は先月から今月9日まで34.50ウォンのドル安となった。中国は韓国の最大輸出市場であるだけに両国経済の相関関係が深く、それだけ為替相場も似た流れで動く。

バイデン候補が当選する場合、弱いドルの流れが続き為替相場は1ドル=1140ウォン台までドル安が進むとの見通しが力を増している。ウォン・ドル相場が1140ウォン水準に進入したのは米中対立が本格化する直前の昨年4月23日に記録した1141.80ウォンが最後だった。ハイ投資証券のパク・サンヒョン研究委員は「韓国経済のファンダメンタルズ(基礎体力)を考慮すると、1100ウォン台序盤水準に進むのは難しく、1140ウォンまでドルが下落する余地はある」と予想する。

韓国企業の輸出競争力が弱まりかねないだけに当局が為替相場が1140ウォンを割り込むのを傍観したりはしないだろうという観測もある。ウリィ銀行のミン・ギョンウォン研究員は「ドルが1130ウォンまで落ちる可能性はあるが当局が急激なウォン高にブレーキをかけるという市場の警戒感がある。こうした警戒感が積極的なドル売りの流れを抑制するだろう」と話した。