韓経:ニッケルバッテリーに力与えたマスクCEO…LG化学・SKイノベーションが笑う理由

  • 2020年9月24日

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が電気自動車用バッテリーのコスト節減に焦点を合わせた未来計画を発表して韓国のバッテリー業界はひとまず安心する雰囲気だ。テスラが100%ニッケル正極材を使ったバッテリーを開発すると明らかにし、むしろ韓国のバッテリー業界には機会になるだろうとの見通しも出ている。ニッケル含有量を高めたハイニッケルバッテリーはLG化学、サムスンSDI、SKイノベーションなど韓国企業が強みを持っている分野だ。

当初業界ではテスラが中国CATLが技術を主導しているリン酸鉄(LFP)バッテリーと関連した革新技術を発表すると懸念していた。だがこうした発表はなかった。マスクCEOはむしろバッテリー原料革新案としてニッケルの割合を高めると話した。韓国のバッテリー企業が強みを持つニッケル系列バッテリーの手を上げたという評価が出てきた。韓国企業に有利な構図が形成されたのだ。業界関係者は「現在の基準でマスクCEOが望む仕様に合わせられる企業は韓国のLG化学、サムスンSDI、日本のパナソニック程度」と話す。マスクCEOもこの日、「LG化学、パナソニックと協力を強化していく」と明らかにした。

楽観的見通しだけではない。テスラのバッテリー独自生産計画は長期的に脅威要因だ。別の業界関係者は「テスラがバッテリーの独自開発と技術開発を主導することにより既存の企業は単純な下請け業者に転落しかねない」とした。テスラより進んだ技術を開発すべき必要性がさらに大きくなったという話だ。

一息ついたバッテリー業界とは違い自動車メーカーは緊張感が大きくなった。マスクCEOが「1カ月以内に完全自動運転オプションを発表するだろう」と話したためだ。バッテリーセルを自動車のシャーシ(車体)と統合する技術も提示した。

ハイ投資証券リサーチセンター長のコ・テボン氏は「アップルがバッテリー一体型スマートフォンを出したのと似た戦略。フォルクスワーゲンなど既存の自動車メーカーが独自の電気自動車専用フレームを作って追い上げてきたことから、さらに踏み出してバッテリー結合型車体を作るということ」と説明した。バッテリー結合型車体を使えば室内空間をさらに確保でき、より多くのバッテリーを搭載して走行距離を向上させることもできる。