韓経:「韓国鉄鋼業界、最悪は過ぎた」…自動車鋼板などの販売正常化に期待

  • 2020年9月11日

韓国の鉄鋼産業はことし4-6月期を底打ちとし、徐々に回復するだろう。景気減速基調が長期化しており、回復の速度と幅は当初の予想に及ばない可能性がある。しかし、最悪は過ぎたということが、投資心理に肯定的に作用している。工程別の収益性を見ると、高炉(板材類)の回復と電気炉(棒形鋼類)の下方安定化が予想される。

高炉の収益性回復を推定する背景は、販売量の改善にある。新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)感染拡大の影響で主力製品の販売量が急減したため、景気回復の局面ではその分改善の余力がある。特に国内高炉業者のことし4-6月期の収益性の悪化の原因だった自動車鋼板は販売の支障が正常化し、今後の収益性改善を牽引するだろう。世界の自動車生産量は、ことし1-3月期に前年同期比25%、4-6月期には50%近く減少した。これにより、自動車鋼板の販売量も急減した。反対に景気が回復し、新型コロナの余波が収まる局面では、基底効果と挽回物量を期待することができる。

スプレッド(販売価格-原料コスト)縮小により収益性の改善幅は期待に及ばない可能性がある。鉄鉱石の価格高騰が続いており、ことし10-12月期のスプレッドは反落する可能性が高い。年初93ドルだったオーストラリア産鉄鉱石(分光62%基準)の輸出価格は、現在128ドルで38%上昇した。韓国の高炉会社は製銑原料全量を輸入に依存している。契約から実際の投入まで通常少なくとも2カ月の時差が発生する。現在の鉄鉱石の価格はことし10-12月期の実績に本格的に反映されるという意味だ。

問題は、鉄鉱石の価格の上昇が構造的ということにある。現在、鉄鉱石は2014年初め水準の需給の様相を呈している。世界最大の鉄鋼生産国の中国が事実上、最大の生産能力を発揮している。鉄鉱石の需要が堅調な状況で新型コロナが長期化し、主要な鉱山国で生産に支障が生じている。中国は世界の鉄鋼供給の60%を寡占している。高炉の割合は90%に及ぶ。

鉄鋼業は産業集中度が低く、需要が後押ししなければコスト上昇(cost-push)が制限される。鉱山会社「ビッグ4」が世界の海上物流量の80%を寡占している一方、鉄鋼業者上位20社の合算市場シェアは40%未満だ。価格交渉力が劣位にあるということだ。産業集中度の向上に関連して中国が来年発表する第14次5カ年経済発展計画に追加的な鉄鋼改革案が含まれている可能性がある。中国政府は、2025年までに上位10社の産業集中度60%以上を達成するという計画を持っている。

国内鉄鋼材の価格がことし下半期に更に上昇する余力はある。中国の内需価格の上昇が続いているためだ。国内流通価格は、通常、中国の国内価格を30~45日後追いする。中国の熱延内需価格は年初に比べて5%上昇し、すでに新型コロナ感染拡大前を超えた。国内流通価格は3%を下回っている。市場で懸念している中国の在庫も内需中心の素材である棒形鋼が大半を占め、輸出競争の板材は相対的に脅威から自由だ。ことし8月の鉄鋼材の在庫は1549万トンだ。前年同期に比べて19%増加した。種類別に見ると、棒形鋼が1063万トンで、前年同期に比べて36%増加した。板材類は486万トンで、前年同期に比べ6%減少した。

長期的な観点から、韓国の鉄鋼業界は苦境に直面している。2008年の金融危機以降、最大消費国の中国の成長が鈍化した。

米中貿易戦争にも再び火がついている。世界の鉄鋼市場は新保護貿易主義と2018年の貿易戦争で地域間供給過剰が深刻化した。保護貿易主義の拡散は、輸出量の減少はもちろんのこと、物流の孤立によりアジア地域の供給過剰を加重させる。

中国の鉄鋼産業がピークを過ぎたことから、自動車鋼板のような高付加価値製品の競争力はますます重要になるだろう。特に自動車市場のパラダイムが既存の内燃機関から電気自動車へ移動することに注目する必要がある。電気自動車は、基本的には内燃機関より重いため、走行距離を確保するための軽量化が最優先の課題だ。したがって将来は超高強度・超軽量鋼材を生産できる技術力がさらに重要視されるだろう。