韓経:日本企業の「脱中国」に…中国、投資誘致策に取り組む

  • 2020年8月6日

日本企業が政府の積極的な「リショアリング」(海外進出企業の自国回帰)政策により中国内の工場を相次いで引き揚げており中国政府が対応に苦心している。江蘇省、山東省など日本企業の工場が多い中国地方政府は投資環境改善を急ぐなど対応に追われている。日本とシンガポールなどは、最近の情勢不安で香港を離脱する金融会社の誘致にも積極的に乗り出している。

◇脱中国、日本企業の70%が医療機器

5日付の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、日本企業の脱中国の動きが中長期的な傾向につながる可能性が高まり中国政府が神経を尖らせている。中国はこれまで日本のような製造業先進国の生産基地の役割をしながら製造能力を蓄積してきた。日本企業が抜け出せばこうした中国の成長モデルが揺らぎかねない上に、「産業空洞化」にまで続く可能性があるという分析が出ている。最近の米中対立に続き世界3位の経済大国である日本との「デカップリング」が深刻化する場合、中国が受ける経済的打撃は少なくない見通しだ。

◇これに先立ち日本政府は新型コロナウイルスに対応した景気浮揚策としてリショアリング関連予算2200億円を配分した。また、自国企業を近隣国に移す「ニアショアリング」にも235億円の予算を配分した。

先月中旬まで進めた1次募集で87社に690億円の補助金を支給した。このうち57社は日本に、30社はベトナムとタイなど東南アジアに移転する計画だ。1次募集で関連予算の30%ほどを使った日本政府はリショアリング企業2次募集をしている。

同紙は「1次募集企業の70%が、中国が次世代成長産業として育成している医療機器企業という点に中国政府が注目している」と伝えた。2次募集に応募した企業でも医療機器企業が多いという。

帝国データバンクによると、中国に進出した日本企業は2012年末に1万4394社でピークとなった後減少傾向を見せている。2016年末には1万3934社、昨年5月末には1万3684社に減った。新型コロナウイルス発生以前にすでに脱中国が始まっていたという話だ。

南京大学産業経済学科の劉志彪教授は「地方政府は管轄内の外国企業が離れるのを不名誉と考えるため懸念が大きくなっている。企業の維持費を低くし安全な投資環境を提供することにさらに努力を傾けなければならない」と指摘した。

外国企業の離脱を防ぐための地方政府の措置も相次いで出ている。上海市政府は最近「外資誘致活性化に向けた24の措置」を施行した。自由貿易地区拡大、外国人入国許可手続き改善、政府と企業間の疎通体系補完、知的財産権保護などを含んだ。

◇香港離れる金融会社も積極誘致

日本とシンガポールなどは国家安全法など政治不安から香港を離れる金融会社を引き込むことにも積極的に取り組んでいる。日経アジアンレビューによると日本金融庁は先月末にこれまで6カ月ほどかかっていた海外ファンドの日本移転手続きを3日に減らす方向で関連規定を改正した。政府与党の自民党は香港の金融人材を誘致するためにビザ免除や所得税減免などの誘引策も準備している。

シンガポールは香港の金融会社誘致に向け、香港と似た英語使用環境、15%前後の低い法人税率、安定した司法制度などを掲げている。シンガポール通貨庁によると、シンガポールに預けられた外国人預金は6月末基準618億シンガポールドル(約4兆7600億円)で、1年前より40%増加した。