韓経:サムスン28年独走「岐路に立つ」…揺れ動く世界の半導体市場

  • 2020年7月29日

1992年は世界の半導体の歴史で「激変期」として記録される。「ファーストフォロワー」 (速い追撃者)と扱われていたサムスン電子が同年8月1日に世界で初めて64メガビットDRAMの試作品開発を公表し市場の構図を揺さぶった。サムスンは余勢を駆って年末にはDRAM市場世界1位に上った。

28年が過ぎたいま、世界の半導体産業が再び激動の時期を迎えた。揺れ動いている半導体企業の時価総額順位が代表事例だ。28日に台湾のファウンドリー(半導体受託生産)企業TSMCの株価は台湾証券市場で2.47%上昇、時価総額が3807億ドルを上回り世界の半導体業界で1位を固めた。

画像処理装置(GPU)専門企業のエヌビディアは卓越した技術力を認められ今年だけで株価が77.8%垂直上昇した。時価総額は27日基準2563億ドルで2位のサムスン電子を追っている。世界市場を征していたインテルは2098億ドルで4位に急落した。

インテルの墜落は自ら招いた側面が大きい。23日に主力製品である中央処理装置(CPU)の7ナノメートル製造プロセスの生産時期を6カ月延期すると発表し市場に衝撃を与えた。「慢心して技術投資を怠った」という批判があふれた。

DRAMを前面に出して28年間メモリー半導体市場で独走しているサムスン電子もやはり「岐路に立った」という評価を受ける。上半期の半導体事業の営業利益はTSMCに満たず、システム半導体事業で体質改善を試みているが容易ではないという評価が出ている。ファウンドリー市場のシェアも18.8%でTSMCと30ポイント以上引き離されている。 得意のメモリー半導体市場ではYMTCやCXMTなど中国企業の激しい挑戦に直面している。

サムスン電子内部の危機感は相当だ。サムスンの「半導体神話」の主役であるサムスン電子の権五鉉(クォン・オヒョン)常任顧問はこの日社内放送に出演し、「危険な瞬間に果敢に決定できる最高経営陣の決断とリーダーシップが必要だろう」と話した。

◇インテルの衰退、TSMC・エヌビディア躍進…世界の半導体市場が揺れる

1世代にわたり世界の半導体市場を掌握した企業はインテルやサムスン電子のように製品設計から生産まですべての事業領域に関与する「総合半導体企業」だった。最近になり市場のトレンドが変わっている。半導体設計に特化したエヌビディアやAMDのようなファブレス(半導体設計専門)企業とファブレスの注文を受けオーダーメード型生産を専門にするTSMCなどファウンドリー(半導体受託生産)企業が注目され市場の構図を変えている。第4次産業革命で最先端技術に対する需要が大きくなり、総合半導体企業より狭い事業領域に集中して独自の技術と領域を構築した「特化企業」の競争力が高まった影響が大きい。

◇「技術力不足」告白したインテル

28日の半導体業界によると、総合半導体企業衰退の代表的事例としてインテルが挙げられる。インテルは23日、「7ナノプロセスでCPUを量産する日程を6カ月遅らせる」と発表した。高性能半導体を安く製造できる7ナノプロセス導入を半年も先送りしたことに対し業界では「インテルが自社製品中心に市場が戻る」という惰性に浸って技術投資をないがしろにした側面が大きかったと指摘した。インテルは3年ほど前から「収益性」を重視し、TSMCやサムスン電子が注力した回路線幅微細化への投資を怠っていた。インテルは現在10ナノプロセスが主力だ。

これに対しインテルの競合であるAMDは6カ月ほど前からファウンドリー企業のTSMCに注文を入れ7ナノメートル製造プロセスで製品を生産している。過去の名声にすがったインテルは昨年CPU市場の84.5%を占めたが今年はAMDが善戦するだろうという評価が出ている。

◇GPUで注目されるエヌビディア

アプリケーションプロセッサ(AP)、グラフィック処理装置(GPU)市場などでも「特化企業」の善戦が目立つ。米エヌビディアはゲーム用GPU生産で最近人工知能(AI)高度化に必須のマシンラーニング用GPUに方向を定め「第4次産業革命の寵児」という評価を受けている。エヌビディアの時価総額は2563億ドルで、インテルの2098億ドルを軽く抜いて世界の半導体企業で3位に上がっている。大規模グラフィック処理が必須の自動運転車用半導体市場にも進出した。

最近では英国ARMの有力な買収候補としても議論される。ARMはアップル、クアルコムなどファブレスに設計図を提供する企業で、「ファブレス中のファブレス」と呼ばれるほど半導体業界で占める地位が高い。ソフトバンクの孫正義会長が2016年に32兆ウォンに買収したが最近は45兆ウォン前後で売却を推進中であることがわかった。サムスン電子なども最近ARMの売却に神経を尖らせている。

◇メモリー技術格差1年以内に縮まる

インテルの墜落を見守るサムスン電子内部でも「錯雑だ」という反応が出ている。昨年4月に李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が「システム半導体ビジョン2030」を発表してファウンドリー、ファブレス事業に方向舵を回したがまだ目立った成果を出せずにいる。ファウンドリー市場で4-6月期基準サムスン電子のシェアは18.8%で、51.5%で1位のTSMCの3分の1水準にとどまっている。ナノプロセスでは5ナノメートルまで対等に戦っているが、半導体デザインや後工程企業などと連係して提供する「総合サービス」の競争力で遅れを取っているという評価が出ている。

インテルがファウンドリーを拡大する場合、サムスン電子が注文を受けるだろうという観測もある。だが大多数の専門家は「TSMC独占」に重点を置く雰囲気だ。この日台湾のあるメディアは「インテルが注文した6ナノGPU委託生産をTSMCが獲得した」と報道した。

メモリー半導体市場では中国企業の挑戦が侮れない状況だ。中国YMTCは4月に128層3次元NAND型フラッシュ開発を発表した。量産するかどうかを離れ技術水準だけみればサムスン電子やSKハイニックスが昨年上半期に公開したのと差がない。DRAM分野ではCXMTが今年末に製品を発売する計画だ。

サムスンの危機感はますます大きくなっている。上半期にはDRAM、NAND型フラッシュ、ファウンドリー、ファブレスなど半導体総合ポートフォリオを備えているサムスン電子の半導体営業利益推定値が83億5966万ドルで、ファウンドリーだけのTSMCの86億4700万ドルに満たなかったという分析も出ている。ソウル大学材料工学部のファン・チョルソン教授は「メモリー半導体分野でサムスン電子と後発企業の技術格差が1年以内に縮まった。シェアを奪われシステム半導体では成果を出せない進退両難に置かれかねない」と指摘した。