韓経:韓国初の国産通信衛星「千里眼3号」、4100億ウォンかけて作る

  • 2020年7月9日

韓国の国産技術で作る初めての通信衛星「千里眼3号」の開発事業が来年から始まる。韓国電子通信研究所(ETRI)と韓国航空宇宙研究院が事業を主導する。

科学技術情報通信部が8日に明らかにしたところによると、4118億ウォン(約370億円)規模の静止軌道公共複合通信衛星(千里眼3号)開発事業予備妥当性調査が先月末に通過した。韓半島(朝鮮半島)上空約3万6000キロメートル、経度128.2度の静止軌道で通信サービスを提供する衛星だ。静止軌道衛星は地球と自転周期が同じで常に同じところで任務を遂行する衛星をいう。事業費4118億ウォンのうち科学技術情報通信部が2600億ウォン、環境部が502億ウォン、国土交通部が533億ウォン、海洋警察庁が483億ウォンを分担する。

国産技術で通信衛星を製作するのは今回が初めてだ。1990年代以降に放送通信サービスを提供したムグンファ衛星は欧州の技術で作った衛星だった。2010年6月に打ち上げられた通信・海洋・気象衛星の千里眼1号には通信機器はあるが試験用のため正式サービスは不可能だった。千里眼3号にはKaバンドを使う実際の通信・放送用機器が搭載される。Kaバンドは20~30ギガヘルツの周波数を指す。Kaバンドの周波数を活用すると第5世代(5G)移動通信サービス、超高画質(UHD)テレビ放送、超高速インターネット広帯域サービスなどが可能だ。

千里眼3号は5G通信サービスの品質を高めるのに使われる見通しだ。移動通信標準化国際協力機関(3GPP)が地上通信網と衛星通信網間の連係を5G以降から国際標準として採択したためだ。科学技術情報通信部関係者は「5G以降の次世代通信では超高速データ サービスに向け高周波帯域が必要だが、これは国内の地上基地局だけではまかなえない。安定した5Gサービスに向け通信専用衛星が必要だ」と説明した。

千里眼3号は災害時の緊急通信サービスも提供する。海上や山岳など地上の通信網が届かない陰影地域の非常通信を支援する予定だ。河川やダムなどの水位と環境監視機能も担う。L帯域(1~2ギガヘルツ)の低周波数を利用し風雨など天候に関係なく安定した通信サービスを提供できるようにした。

衛星利用測位システム(GPS)の誤差を補正する航法補強システム(SBAS)も韓国の衛星で初めて搭載される。国土交通部が推進中の精密航法補正事業(KASS)の一環だ。SBASは航空機の自動離着陸、船舶間の衝突防止などに活用される航法サービスの誤差を補正する技術だ。現在韓国はGPSだけでなく誤差補正サービスもやはりすべて海外に依存している。