韓経:米空母3隻が動くと軍事行動保留した金正恩委員長…「揺さぶり」終えたと判断か(1)

  • 2020年6月25日

金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長

北朝鮮が軍事行動の保留を決め、悪化していた南北関係が一息つくことになった。対北朝鮮制裁が続き、新型コロナウイルスの感染拡大までが重なって「自力更生」に支障が生じただけに、軍事挑発まで敢行するには現実的な制約があったという分析だ。ただ、「保留」という表現を使って余地を残しただけに、8月に予定されている韓米連合軍事訓練の前後にまた軍事的緊張感を高める可能性も排除できない。

◆コロナ局面で調節

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が23日、中央軍事委員会予備会議を開いて対南軍事計画の保留を指示したのは、今月初めから20日間ほど続いてきた対南敵対政策の方向転換だ。金正恩委員長が公開的な席に現れたのは17日ぶりとなる。こうした態度の変化について、一部では経済難に直面した北朝鮮の避けられない選択という分析が出ている。国際社会の対北朝鮮制裁が緩和される兆候が見えず、新型コロナまでが広がり、韓国政府との緊張局面を長期的に続けることはできないという判断が作用したという解釈だ。

ソウル大のキム・ビョンヨン経済学部教授は「2017年から3年間、北の国民所得は10%ほど減少したとみられ、コロナ事態が年内続くという仮定で今年はまた5%以上減ると予想される」とし「これは過去最悪だった苦難の行軍時期の半分にのぼる経済難」と評価した。慶南大極東問題研究所のキム・ドンヨプ教授は「経済中心の正面突破戦にまい進する状況で、過度に危機局面に進むのは良くないと考えたはず」と説明した。

緊張が高まって武力衝突の可能性まで提起されると、極端な対決状況は避けようとしたという見方もある。米インド太平洋司令部は最近、空母「セオドア・ルーズベルト」「ニミッツ」を韓半島(朝鮮半島)が含まれる第7艦隊区域に追加で配備した。横須賀海軍基地が母港の「ロナルド・レーガン」まで空母3隻が集まって北朝鮮に圧力を加えた。

◆金与正「悪役」戦略

最近、先頭に立って南北関係を破局に導いたのは金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長だった。金与正第1副部長は3月、最初の対南談話で激しく韓国側を非難し、南北連絡事務所の爆破および軍事行動を予告した。北朝鮮が軍事挑発を敢行した2017年に「米国の狂った老いぼれを必ず火で罰する」とし、金正恩委員長が自らトランプ米大統領を非難したのとは違った。

これをめぐり、金正恩委員長が望むものを得るために意図的に南北関係を悪化させたという分析も出ている。妹に悪役を任せて緊張感を高める一方、自身は前面に現れず、南北関係をまた改善させる余地を残したという解釈だ。今回の軍事行動保留決定に関し金正恩委員長が「最近の情勢を評価して出した結論」と明らかにした点もこのシナリオの可能性を高める。世宗研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)研究センター長は「韓国政府がこの機会に対北ビラ散布を強力に規制するという意向を見せたため、北も一定の実益を得たと判断したようだ」とし「さらに進めばプラスよりもマイナスが大きくなると判断した可能性がある」と話した。