韓経:李在鎔サムスン電子副会長、運命の1週間…経済界「起訴ならサムスンの経営はまひ」

  • 2020年6月22日

李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長(左)が19日、京畿道華城のサムスン電子半導体研究所を訪れた。李副会長はこの日、金己男(キム・ギナム)DS部門副会長、秦教英(チン・ギョヨン)メモリー事業部社長らが出席した中、DS部門社長団懇談会を開き、次世代半導体開発現況などについて議論した。 [写真 サムスン電子提供]

李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長とサムスンの未来を左右する運命の1週間が始まった。26日には李副会長の起訴が妥当かどうかを判断する検察の捜査審議委員会が開かれる。審議委は検察が2018年に自ら改革案の一つとして導入した制度。外部の人が捜査手続きおよび結果の適切性を議論した後に勧告案を出す。強制性はないが、今まで検察は審議委の判断に従わなかったことはない。サムスンをはじめとする経済界が審議委に注目する理由だ。

◆「起訴なら経営への支障は不可避」

李副会長はサムスンバイオロジクスの粉飾決算などの疑いを受けている。裁判所が逮捕状を棄却し、拘束は避けることができた。とはいえ経済界では李副会長が起訴されるだけでも経営に支障を与え、経済全体に超大型悪材料になるという声が出ている。裁判所の裁判日程を勘案すると、経営について考える時間の確保が難しいということだ。

2017年の国政壟断事件1審裁判当時も李副会長は正常な経営活動ができなかった。最初の裁判が開かれたのは2017年4月7日だ。1審の結果が出る8月25日までの約4カ月半で53回も裁判が開かれた。裁判に必要な時間を合わせると477時間50分にのぼる。出廷すれば一日平均9時間ほど法廷にいたということだ。6月7日には午前10時に始まった裁判が翌日午前1時8分に終わった。

サムスンの関係者は「李副会長は2、3日に一回のペースで法廷に行き、終日裁判を受けることになった」とし「裁判による精神的な疲労感、裁判の準備のための時間などを考えると、会社のことはほとんど何もできなかったと見るべき」と話した。

今回、起訴が決定すれば、2017年の裁判当時よりも深刻な経営支障が避けられないとみられる。検察は「捜査記録だけでも20万枚」とし、李副会長に対する容疑の立証に自信を見せている。サムスン側の弁護団も強硬な立場だ。強気で審議委を要請したのも裁判の結果に自信があるためという分析だ。ある法曹界の関係者は「争点が多く、見解の違いも大きい」とし「起訴が決定すれば裁判が何年続くか予想するのが難しい」と説明した。

◆「行動主義ファンドの脅迫を認める格好」

サムスンのキャッシュカウの半導体産業は「オーナービジネス」と呼ばれる。一度に数十兆ウォンが投入される大規模な設備投資を随時断行する必要があるからだ。有能な専門経営者であっても一度の「サイン」で会社の命運が変わり得る意思決定を下すのが容易でないというのが、関連業界の説明だ。インテルとAMDを抑えて世界トップのGPU(グラフィック処理装置)企業になったエヌビディア、世界ファウンドリー(半導体受託生産)業界トップの台湾TSMCもオーナー経営者が会社を陣頭指揮する企業に分類される。ブルームバーグ通信など主要メディアが「李副会長が起訴されれば、M&A(企業の合併・買収)や大規模な投資などの決定が難しくなるはず」と指摘した背景だ。

経済界も「今は李副会長が必要なタイミング」とし「李副会長が起訴される場合、重要な意思決定が中断し、経営システムも焦土化する」と主張している。ある経済団体関係者は「昨年の日本の素材・部品輸出規制当時、李副会長が日本を訪問して対応策を用意した」とし「新型コロナウイルス感染症と米中貿易紛争などのイシューが山積した今もオーナーのリーダーシップが必要な時」と話した。

李副会長の起訴は、米国行動主義ファンドのエリオットが韓国政府を相手に提起した「投資家・国家間訴訟(ISD)」に影響を及ぼすという声も出ている。エリオットはサムスン物産と第一毛織の合併を承認する過程で、韓国政府の不当な措置で株価が下落し、少なくとも7億7000万ドルの損害が発生したと主張している。李副会長を起訴すればエリオットの主張を認める格好として映るというのが、経済界の指摘だ。