韓経:ファウンドリーに進撃するサムスン…TSMCに勝つ「ファブレス軍団」育成へ

  • 2020年6月19日

サムスン電子がファウンドリー生産施設を攻撃的に増やしている。先月21日には京畿道平沢(ピョンテク)にも極端紫外線(EUV)装備が入る先端半導体ファウンドリーを新設する計画を出した。[韓経DB]

サムスン電子が中小ファブレス(半導体設計会社)にシステム半導体の設計をサポートするクラウド基盤のプラットホームを提供することにした。サムスンに友好的なファブレスとデザインハウス(半導体設計後工程会社)を増やすのが目的だ。世界ファウンドリー(半導体受託生産)市場1位を狙うサムスン電子が生態系の拡張に入ったという解釈が出ている。

◆ファブレスに注力するサムスン電子

サムスン電子とプラットホーム会社Rescaleは18日、統合クラウド設計プラットホーム「SAFE-CDP」を公開した。ファブレス企業がいつどこでもチップの設計ができる環境を提供するために別のプラットホームを構築した、というのがサムスン側の説明だ。

システム半導体の生産工程が微細化し、半導体チップの設計も難しくなっている。設計作業の後半部になるほど複雑な計算が多くなる。こうした作業が円滑に行われるには、必要な保存空間とソフトウェアサーバーをパッケージで借りるクラウドサービスがなければならない。チップの性能を検証するのに必要なデータの量が多く、コンピューティング資源も消耗するからだ。

サムスン電子の関係者は「クラウド費用の負担に悩むファブレスが多いことを考慮し、プラットホームを開発することになった」とし「SAFE-CDPがファブレス業界の参入障壁を低める役割もすると期待している」と述べた。

すでにファブレス業界ではSAFE-CDPに対する前向きな反応が出ている。本格的なサービスを控えたテストで成果が確認された。車両用半導体チップの設計にサムスンのプラットホームを活用したガオンチップス社は、従来のプラットホームを使用する場合に比べて設計にかかる期間を約30%短縮した。

サムスン電子は昨年4月、「システム半導体生態系強化策」を発表した後、ファブレスとデザインハウスを積極的に支援し始めた。サムスン電子ファウンドリー事業部の鄭殷昇(チョン・ウンスン)社長は「ファブレス企業がさまざまな分野で活躍できるよう開発から量産にいたるまですべての過程をサポートする」と強調した。

サムスン電子はこれとは別にファブレス企業の製品開発を支援するために試作品を製作するマルチプロジェクトウェハー(MPW)プログラムを工程あたり年3、4回運営中だ。昨年下半期からは国内のファブレスとデザインハウスの開発者にレイアウト、設計方法論、検証などを教育するプログラムも運営している。

◆「企業間競争」から「生態系間競争」に

サムスン電子はグローバルファウンドリー市場で2位だ。4-6月期基準でシェアは18.8%(トレンドフォース基準)と、1位の台湾TSMC(51.5%)との差が大きい。工程の微細化など技術的な部分ではTSMCとほとんど差はない。

問題はファウンドリーの前後工程に連係して提供するサービスだ。特に、似た分野の企業を連結したりファブレスと協力すればよいデザインハウスを紹介するネットワーキングの部分が十分でないというのが、業界の大半の意見だ。半導体業界の関係者は「サムスン電子がTSMCとの差を減らすには、より多くのファブレスとデザインハウスをサムスンの生態系に引き込む必要がある」と指摘した。

生態系の密度を高めるのに注力するのはファウンドリー企業だけでない。世界のファブレスも業界での影響力を拡大するために中小ファブレスを支援している。自社の設計資産(IP)を活用する企業が増えてこそIP使用料収益が増えるからだ。「競争力がある顧客数=未来収益」という公式がファウンドリーとファブレスに同じく適用されている。

スマートフォンの頭脳、アプリケーションプロセッサ(AP)チップ設計市場の95%を占めるARMが代表的な事例に挙げられる。同社は昨年、中小ベンチャー企業部の12号「自発的共生協力企業」に選定された。ARMは設計パッケージの「フレキシブルアクセス」を今後3年間で国内のスタートアップ10社に支援することにした。このパッケージを活用すればARMが保有するIPの75%を自由に使用できる。