韓経:力が抜けた強いドル…新興国通貨一斉に上昇

  • 2020年6月10日

米連邦準備制度理事会(FRB)の大規模流動性供給は新興国通貨の価値も引き上げている。MSCI新興国通貨指数は8日に前取引日より0.15%上がった1602.86を記録した。この指数は中国と韓国、台湾、ブラジル、ロシアなど新興国25カ国の通貨価値を反映して算出される。新興国通貨指数は新型コロナウイルスの懸念が高まった3月23日に1547.33でこの3年間で最低値となったが、現在はこれより3.6%反騰した状態だ。

何より基軸通貨発券力を動員した米国がドルを市場に供給しているのが最も大きな背景と指摘される。ブラジル・レアルの対ドル相場は今月に入り5レアルを下回りレアル高となった。レアルは先月まで1ドル=6レアル水準だった。インドネシア・ルピアの対ドル相場も3月には1万6500ルピア以上だったが最近になり1万4000ルピア以下で推移している。3月中旬に1ドル=80ルーブル台まで値を下げたロシア・ルーブルは最近になり15%ほど上昇した。先月初めに底を打ったトルコ・リラも約1カ月で5%反騰した。

このため世界の投資資金が新興国株と債券に徐々に移動しているという観測が出ている。米投資銀行JPモルガン・チェースが最近出したグローバル資産配分戦略には新興国債券と株式投資が新たに含まれた。

ロイター通信によると、3月に新興国株式と債券で800億ドルが純流出したが、4月は171億ドル、5月は41億ドルの純流入に変わった。封鎖措置緩和後に新興国に対する投資心理が改善されているというのが専門家らの説明だ。

ただ新興国の通貨価値が上がり続けるのは難しいだろうという主張も出ている。英投資銀行のバークレイズは7日、新興国の通貨価値が基礎体力(ファンダメンタルズ)に比べ高く評価されており、ドル安にともなう恩恵を完全に享受するのには限界があると分析した。