韓経:「代工をすべて奪われるかも」…韓国免税店、「海南発非常ベル」

  • 2020年6月8日

韓国免税店が崖っぷちの危機に立たされている。中国が国家免税地区である海南の内国人免税限度を大幅に高めると最近予告したためだ。新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)事態で消費者の足が急に途絶えた渦中に、「上得意客」中国人買い出し商人(代工)まで奪われる状況に置かれた。

目前の免税店の賃借料も解決が難しい状況に悪材料が重なると、今年夏以降の生存が難しいとの懸念も出ている。ある免税店関係者は「会社内部には8月を過ぎれば会社が生存の岐路に立たされるという不安が広がっている」と話した。

◆海南、1人あたりの免税限度3倍↑

中国政府は今月1日、「海南自由貿易港建設総体方案」を発表した。この中には海南を訪問した内国人1人あたりの免税品購買限度を年間3万人民元(約46万4000円)から10万元(約155万円)に3倍以上増やすという内容が盛り込まれた。海南は中国が2011年国家免税地区に指定し、ここを訪問する内国人も免税品を買える。

中国政府は自国免税産業を育てるために各種対策を打ち出している。海南の免税限度も初期の5000元から徐々に伸びてきている。韓国や日本などに向かう代工に、中国内で財布を開かせることが目的だ。先月からは59カ国から来た観光客がビザなく海南を旅行できるようにした。3月以降は海南を訪れた中国人訪問客が訪問後180日間オンラインで免税品を買えるようにした。

このような各種対策に後押しされて今年2~3月の海南免税店4カ所の売上は新型コロナ事態前の80%水準まで回復した。ある大企業系列免税店の高位級関係者は「代工は韓国に入ってきて中国に出て行くとき、計4週間の自宅隔離を強いられ、この期間の費用も自己負担しなければならない」とし「両国の移動が難しい状況で中国の免税店実績が回復したということは韓国に来ることができない代工の一部を吸収したとみることができる」と話した。

◆「8月後の生存が心配」

韓国免税店協会によると、今年4月免税店の売上は9867億ウォン(約898億円)で、前年同期(1兆9947億ウォン)比48.5%減少した。1兆ウォン以下に落ちたのは、2017年THAAD(高高度ミサイル防衛体系)事態以降、初めてだ。

代工まで奪われてしまう場合、韓国免税店事業が危機に陥るという懸念は大きい。代工は昨年韓国免税店売上の70%を占める「上得意客」であるためだ。だが、ロッテ・新羅・新世界など大企業系列の免税店も妙案を出せずにいる。空港賃借料問題など、目前に近づいた問題を解決するのにも汲々とした状況だ。

最近、韓国政府は仁川(インチョン)空港などに入店している免税店の賃貸料の引下率を大企業系列は既存の20%から50%に、中小免税店は50%から70%に高めた。空港利用旅客が昨年の60%水準に回復するまで最大6カ月間(3~8月)適用する。韓国免税店関係者は「空港賃借料など目前に近づく問題のせいで、中国免税店の対応策は考える余裕さえない」とし「こうしていては国内免税店事業が中国に追い越されるのも時間の問題」と打ち明けた。また他の大企業免税店関係者は「韓国免税店は新型コロナ事態以前も代工に最大限の恩恵を与えていた」とし「代工を引き込む追加対策にも困窮している状況」と話した。