韓経:米国140都市で暴動…「怒りウイルス」で経済再開が止まった

  • 2020年6月2日

米国で白人警察の強圧行為によって黒人が死亡したことから触発された流血暴力デモで、今ようやく「コロナ封鎖令」が解けたばかりの米国経済が再び混乱に陥った。デモが略奪・防火などに広まり主要都市が夜間の通行を禁止したことにより、商店街やショッピングモール、レストランなどは再び店舗を閉鎖したり再オープンを先送りしたりしている。ワシントンDC、ロサンゼルス(LA)など米国全域の主要40都市以上が夜間通行禁止令を下した。大規模デモによって新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)拡大の勢いが再び増すのではないかとの懸念も大きくなっている。

◆再開したばかりの経済活動に暗雲

1日、現地メディアによると、大型ショッピングセンターのウォルマートやターゲットはもちろん、ナイキ、アディダスの店舗や小規模商店数百軒が暴力デモを避けたりデモで受けた被害を復旧したりするために店を閉めた。アディダスは米国全土にある店舗すべてを一時閉鎖した。店舗10軒余りが略奪ですでに被害を受けているウォルマートは数百軒の店舗を閉めた。ターゲットも週末の間、200軒以上の店舗を閉鎖した。スターバックスやマクドナルドなど飲食チェーンも、先週末にデモが発生した都心地域の一部店舗を閉鎖した。

自営業者も被害を受けているのは同じだ。黒人男性ジョージ・フロイドさん死亡事件が発生したミネソタ州ミネアポリスでは、一部の酒類店や食堂などが被害の中で放置されている。ワシントンDCでサンドイッチチェーン「サブウェイ」を経営しているボブ・グレワルさんは「新型コロナ事態で閉鎖し、今ようやく再オープンにこぎつけたばかりなのに、窓を割られるなどして略奪に遭った」と訴えた。

◆新型コロナ拡大のホットスポットにもなるおそれ

ブルームバーグ通信は「デモが140都市に広まりながら新型コロナが再び拡大する危険が高まっている」と報じた。メリーランド州のラリー・ホーガン知事は「デモに数千人が集まったことから、人々がコロナ感染にさらされた可能性が非常に高い」と警告した。特にデモには感染率が高い黒人やラテンアメリカ人など有色人種が大勢参加している。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「公衆衛生関係者は、(黒人等のデモ参加によって)今後数週間で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しかねないと懸念している」と伝えた。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の伝染病専門家であるピーター・チン=ホン 教授は「抗議活動、パンデミック(世界的大流行)の猛威、不安定な経済という3つの要素が合わされば、ウイルス感染のパーフェクトストーム(最悪の事態)になる」と予測した。通常、野外では伝染リスクは低くなるが、デモの現場では終始大声を出したりスローガンを叫んだりするため、唾などを通した伝染リスクが高まる傾向がある。

◆新型コロナ挫折感も原因

デモが広がった背景には根深い人種差別だけでなく、新型コロナによる青年層や低所得層、有色人種などの挫折や不満が渦巻いているという分析だ。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「新型コロナが10万人以上の命と数百万件の職を奪いながら生じた不安と怒りがフロイドさん事件によって噴出し、米全域を襲っている」と分析した。黒人、ラテンアメリカ人などの感染率は他の人種に比べて高い。ミネアポリスの場合、都市の人口のうち黒人は20%に達しないが、全体感染者の35%を占めている。経済的困難などが原因と考えられる。WSJは「新型コロナ感染と失職でマイノリティが莫大な被害を受けた」とし「デモ隊の一部はそのような状況でも家に監禁されている以外にできることはなかったと不満を爆発させている」と伝えた。

だが、ドナルド・トランプ大統領はデモ隊を「暴力団(Thugs)」と呼びながら「略奪が始まる時に銃撃が始まる」と言及するなど強硬一辺倒で対応している。NYTはこのようなトランプ大統領の「組分け政治」がデモ隊を刺激して暴力デモをさらに煽りかねないと懸念した。