韓経:韓国、外貨負債が急増…1-3月期167億ドル増

  • 2020年6月1日

1-3月期の韓国の金融会社と企業の外貨建て負債が9年来の速さで増えたことがわかった。新型コロナウイルスの衝撃で世界の金融市場の不確実性が大きくなりドルの調達を大幅に増やした結果とみられる。

韓国銀行が31日に明らかにしたところによると、3月末の韓国の預金取扱機関(銀行)とその他金融会社(保険会社、証券会社、資産運用会社など)、非金融企業(企業)が保有する対外債務合計は3655億ドルと集計された。昨年末の3488億ドルと比べ4.8%(167億ドル)増えた規模だ。こうした増加率は四半期基準で欧州財政危機が本格化した2011年1-3月期の14.3%以降で最も高い。

対外債務とは企業と金融会社が返さなければならないドル、円、ユーロなどの外貨負債だ。韓国銀行関係者は「新型コロナウイルスで国際金融市場が不安になると金融会社と企業がドルを大挙調達し流動性圧迫に備えた」と説明した。

主体別に見ると、銀行の外貨負債増加速度が速かった。預金取扱機関の対外債務は2183億ドルで昨年末に比べ6.5%(133億ドル)増えた。2011年1-3月期の10.4%以降で最も高い増加率だ。銀行は外資系銀行で短期借入を増やしたり中長期外貨債券を発行する方式で外貨を増やした。

金融会社と企業が保有するドルを増やして外貨流動性圧迫からは抜け出したが、業績と財務構造に悪影響を与えかねないという指摘が出ている。韓国銀行関係者は「外貨資金事情が安定した現在の基準で見れば金融会社と企業が必要以上に外貨を調達した側面がある」と話した。

新型コロナウイルスの影響で世界の金融市場の不確実性が大きくなると金融会社と企業は満期1年以下の短期外貨借入を急激に増やした。既存の外貨借入金に対する償還要求が相次ぐ恐れがあるとみたためだ。だが増えたドル負債により支払わなければならない利子が増え、今後先進国が回収に出れば大きな負担として作用するだろうという指摘が出ている。

韓国銀行が31日に明らかにしたところによると、3月末の韓国の預金取扱機関、その他金融会社、非金融企業が保有する短期対外債務合計は1348億ドルで昨年末に比べ128億ドル(10.5%)増えた。南欧財政危機が発生した2011年1-3月期の13.5%以降で最も高い増加率だ。

銀行の短期対外債務増加速度が速かった。銀行など預金取扱機関の3月末の短期対外債務は1140億ドルで昨年末より122億ドル(12.0%)増えた。一部証券会社も株価連係証券(ELS)のマージンコール(証拠金追加納付要請)に備えドル借入を増やした。

金融会社と企業の健全性指標のひとつである短期対外債務比率(対外債務で短期対外債務が占める割合)も大きく上昇した。3月末の36.9%で昨年末と比較して1.9ポイント上昇した。短期対外債務比率は2012年9月末の38.3%以降で最も高かった。金融危機直後である2009年末の51.4%と比較すれば低い水準だ。

対外債務は今後も急速な増加が続く見通しだ。新型コロナウイルスによる輸出不振で4月の貿易収支が9億5000万ドルの赤字を記録し、今後も貿易赤字の可能性が高いためだ。また、秋の新型コロナウイルス第2波への懸念などから金融会社と企業は平常時より多くのドルを蓄積しようとしている。

金融会社と企業の対外債務は増えたがドル資金難は拡散していない。3月19日に米連邦準備制度理事会(FRB)が韓国銀行と通貨スワップを締結し、韓国銀行がいつでもドルを調達できるためだ。その影響で5年物外国為替平衡基金債券のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムは28日に27bp(1bp=0.01ポイント)で3月平均の43bpに比べ16ポイント下落した。

だが米中紛争が激しくなるなど為替相場が大きく変動し、世界の金融市場で信用収縮が再度起きる場合、金融会社と企業が短期対外債務償還に再度困難になりかねないという悲観的シナリオも排除することはできない。延世(ヨンセ)大学経済学部のキム・ジョンシク名誉教授は「新型コロナウイルス危機が再拡散すれば企業の外貨流動性環境が急激に悪化しかねない」と話した。韓国銀行はこれとともに先進国中央銀行が莫大な流動性を世界市場に供給したが今後新型コロナウイルスが落ち着き流動性を回収することになれば増加した外貨債務が問題になる恐れがあるとみている。