韓経:文大統領「財政が治療剤でありワクチン」…拡張財政に国の借金「超ピンチ」

  • 2020年5月26日

文在寅大統領が25日に青瓦台で開かれた「2020国家財政戦略会議」で発言している。右から文大統領、丁世均首相、洪楠基副首相兼企画財政部長官。[写真 青瓦台写真記者団]

「だれのための財政で何のための財政なのか」。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が25日に国家財政戦略会議を主宰しながら冒頭に投げかけた質問だ。新型コロナウイルスで経済が危機に追いやられただけに積極的財政政策が必要だという反語法とみられる。文大統領は続く発言で財政の積極的役割を持続的に強調した。「戦時財政」を注文し、「財政は経済危機の治療剤でありワクチン」と話した。昨年この会議で言及した「積極的に財政」より強度がはるかに高くなった表現だ。

青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)のカン・ミンソク報道官は会議後の書面会見で、「共に民主党と政府、青瓦台は今年だけでなく来年まで積極的拡張財政基調を継続することにした」と伝えた。だが専門家らは、政府が財政万能主義に陥れば民間を駆逐することになる公算が大きく、財政健全性が損なわれれば新型コロナ終息後に大きな後遺症を抱えることになると懸念している。

◇「財政健全性のためにも財政が役割を果たさなければ」

国家財政戦略会議は青瓦台と政権、与党の最高幹部らが参加し中期財政政策方向を決める最高意志決定会議だ。2004年から毎年開かれており、今年は17回目の会議だった。

関心は新型コロナ危機克服に向けた財政の役割と財政健全性の関係だった。洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官はこの日、「危機克服と経済跳躍に向けた財政運用方向」を主題として提案しながらも、健全性を念頭に置かなければならないと明らかにした。

関心は文大統領の選択だった。文大統領は「骨を削る支出構造調整が必要だ」としながらも「現在のように深刻な危機局面では十分な財政投入で成長率を高めることが財政健全性を回復する道」と強調した。まず財政を投じて危機を克服し、今後経済が回復すればその結果で歳入が増え財政健全性が回復するだろうという期待を示した。文大統領は「もう少し長い呼吸の財政投資好循環を図らなくてはならない。長く見るとそれが国内総生産(GDP)比の国の債務比率悪化を防ぐ道」と話した。

文大統領は外国と比較して財政余力があるという点も強調した。文大統領は「現在の韓国の債務比率は第2次追加補正予算を含めてもGDP比41%水準で、110%に達する経済協力開発機構(OECD)平均より大きく低い」と明らかにした。

◇「規制革新なければ国の借金だけ増える」

文大統領がさらに果敢な財政支出を注文したことで今年だけでなく来年まで超拡張財政基調が続くだろうという観測が出ている。第3次追加補正予算規模も50兆ウォンに達するだろうとの見通しが出ている。企画財政部は当初30兆ウォン前後を検討していたが、与党が40兆ウォン以上の規模を検討していると伝えられた。第3次追加補正予算が50兆ウォンに決定されれば今年の予算規模は3回の追加補正予算を合わせて575兆ウォン、財政赤字規模は140兆ウォンに達する。

来年の財政支出増加率が過去2年と同じように9%台に決まるなら来年の予算規模は560兆ウォンに達する。今年の本予算512兆ウォンより50兆ウォンほど増える見通しだ。

企画財政部は昨年と今年の財政支出増加率を9%台で編成したが、来年は6.5%に下げる計画だった。企画財政部関係者は「来年も新型コロナウイルスの余波が続くはずだが危機克服に向け財政支出増加率を低くするには早いという意見が会議で提示された」と伝えた。

ただ政府与党と青瓦台は新型コロナウイルス危機克服後には財政健全性管理努力を強化しようということで意見をまとめた。強力な支出構造調整と脱漏所得課税強化などを通してだ。この過程で国税庁の税務調査が大きく増えるのではないかとの懸念も提起される。

延世大学経済学部のソン・テユン教授は「経済が正常軌道に回復するには企業が投資できるよう規制を革新する作業が先行しなければならない。こうした努力なく財政支出だけ増やせば国の借金だけ急増するだろう」と指摘した。

来年まで超拡張財政基調を維持するのは望ましくないとの意見も提起された。韓国の国の債務比率は昨年末の38.1%から今年は46%近くまで上昇する可能性が高い。民主党の話のように第3次追加補正予算を50兆ウォンにした場合の話だ。漢城大学経済学科のキム・サンボン教授は「短期間に国の債務比率が大きく上がれば外国人資本流出が債券市場まで拡大し対外健全性に致命打となる。今年までは財政を拡大するとしても来年の予算は今年より減らさなければならない」と主張した。