韓経:半導体掌握しても「米中の切っ先」に立つ韓国…ぎりぎりの「綱渡り」

  • 2020年5月25日

「米中の間で綱渡りする気分です」。

最近会った韓国のある半導体企業幹部は「中国ファーウェイをめぐる米中間の攻防が激しくなるほど韓国の半導体企業に対する両国の圧迫と懐柔も激しくなるだろう」としながらこのように話した。攻撃する米国、防御する中国の双方ともサムスン電子とSKハイニックスは「相手方を座り込ませる武器」になる。両社が2019年基準でDRAM市場の73%のシェアを掌握し、半導体のグローバルサプライチェーンのカギを握っているためだ。サムスン電子とSKハイニックスがDRAM供給を絶つことになればファーウェイは再起不能状態に追いやられる。

問題は韓国企業が「刀の柄」ではなく「切っ先」をつかんでいるというところにある。米国と中国が売り上げ割合の1位と2位を争っており、どちらか一方の手を上げることはできない状況だ。

◇米国「ファーウェイは中国のスパイ」

米国のファーウェイ制裁はオバマ政権時代の2011年に遡る。当時米国防総省は「ファーウェイは中国人民解放軍と密接な関係がある。民間企業の仮面をかぶったスパイだ」という疑惑を提起した。トランプ大統領就任後の米国の「ファーウェイ叩き」はさらに強硬だった。米高官らは「ファーウェイがスマートフォンとネットワーク装備を通じて軍事機密を盗み出している。米国の技術を違法に持ち出している」と主張した。昨年5月にはファーウェイをブラックリストに上げ「米国内販売」を禁止させた。

強力な制裁でもこの1年間にファーウェイがスマートフォンやネットワーク装備などを順調に生産し続けると米商務省は今月14日に「対ファーウェイ追加制裁案」を出した。ファーウェイが独自開発した通信用半導体を調達できないようファーウェイの設計図を受けて半導体を生産する台湾のファウンドリー(受託生産)企業であるTSMCに米国政府の輸出許可を受けるようにしたのだ。

◇サムスンとハイニックスがなければ製品作れない

最近強化された制裁もファーウェイをへこませられないだろうという見通しが出ている。通信用半導体を独自に生産する代わりに米国を除いた国の企業が開発・生産した半導体を調達することには支障がないためだ。半導体業界では米国政府がさらに強力な制裁カードを切るならばサムスン電子とSKハイニックスを活用するだろうという予想が出ている。

サムスン電子とSKハイニックスの悩みは米国が「ファーウェイのスパイ行為を助けている」と主張し、「メモリー半導体供給中断」を要請するケースだ。両社とも簡単に拒否できない圧力に直面することになる。ファーウェイのスマートフォンとネットワーク装備などにサムスン電子とSKハイニックスが製造した半導体はいまも使われている。米国政府は「ファーウェイがスマートフォンとネットワーク装備を通じて機密を盗んでいる」という疑いを引っ込めていない。

米国としてはサムスン電子が半導体のグローバルサプライチェーンのカギを握っているという点でファーウェイを終わらせる「最後の決定打」として活用できる。DRAMとNAND型フラッシュは「産業のコメ」と呼ばれるほど広範囲に活用される。ファーウェイのスマートフォンとネットワーク装備だけでなく、アップルやインテルなど世界のほとんどのIT企業製品に使われるサムスン電子、SKハイニックスが特定企業へのDRAM供給を絶てばその企業はIT製品製造を事実上断念せざるを得なくなる。

ファーウェイがサムスン電子、SKハイニックスの中国法人幹部らに「安定した納品」を要請したのも半導体供給を両社が掌握しているからだ。韓国の半導体業界ではファーウェイが長期戦に備え半導体在庫をさらに確保しているという話も出ている。

◇計算が複雑になった半導体ツートップ

サムスン電子とSKハイニックスは多様なシナリオを検討し影響を最小化する方法を探している。SKハイニックスは相対的に悩みが少ないという評価が出ている。ファーウェイとの関係が半導体メーカーと顧客」と限定的であるためだ。

ファーウェイにメモリー半導体を供給すると同時に世界のスマートフォンとネットワーク装備市場で競争するサムスン電子はさらに複雑な戦いをしなければならない状況だ。ファーウェイはサムスン電子から年間4兆ウォン前後のメモリー半導体を購入する大口顧客であると同時にスマートフォン世界2位の企業で1位のサムスン電子を追いかけている。サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が力を入れている第5世代(5G)ネットワーク装備市場では世界1位の企業だ。半導体業界ではサムスン電子が米国と中国のどちらか一方に偏るよりは中立を守ってぎりぎりの綱渡りに出るだろうという観測が優勢だ。