韓経:【社説】米国の対中輸出報復、韓国への飛び火が心配

  • 2020年4月30日

米国と中国の貿易葛藤が新型コロナウイルス感染症の影響でまた深まる雰囲気だ。米国のトランプ政権は先端技術品目を中国に輸出する際「軍用許可」を必須とする内容の新たな輸出規制措置を出した。輸出前に国家安全保障関連の許可を受けなければならない軍用商品リストに半導体通信装備など先端製品を追加したうえ、「軍用」の定義を拡大したのが特徴だ。対象国は中国、ロシア、ベネズエラなどだが、事実上、中国を狙った報復措置という分析だ。

今回の措置はトランプ大統領が「コロナ中国責任論」を提起する中で出てきたという点で注目される。年初の第1段階合意で落ちついていた米中貿易葛藤にまた火がつくのではという見方が出ている。新型コロナのため中国の大規模な米国製品購買など合意の履行に支障をきたす可能性が高まっている点も、こうした懸念につながっている。軍用商品リストの品目を中国に輸出する場合、政府の許可を受けなければいけないのは米国企業だけでない。外国企業が製造した特定の米国産商品を中国に運送する場合にも米政府の承認を受ける必要がある。米国に進出している韓国企業の対中国輸出も例外でないということだ。

さらに今回の措置は一過性で終わらない可能性が高い。その間、中国が民間用先端製品を輸入して軍事的用途に転用した事例が多かったというのが米政府の認識だ。ロス米商務長官が「中国企業が米国の輸出統制を避けるためさまざまな動きを見せているため、重要な技術が渡らないよう警戒を続けるべき」と話すほどだ。場合によっては輸出統制がさらに拡大する可能性があるという警告として聞こえる。第1段階の米中貿易合意に米国の知識財産権の保護強化などが盛り込まれているという点を考えると、第3国の企業が米国外から中国に輸出をする場合にも、米国知識財産権が含まれていれば輸出規制を適用すると主張する可能性もある。

米国の対中輸出報復が韓国企業に飛び火しないか不安だ。今回の措置で米国企業の対中輸出が打撃を受けるが、トランプ政権は第3国の企業がその穴を埋めるのを放置しないだろう。米国が中国に対する輸出統制を海外に拡張する場合、半導体など韓国の主力産業にはもう一つの衝撃波となる。

コロナ事態以降、グローバルサプライチェーンの再調整と共に保護主義勢力の拡大、通商紛争の激化が予想される。米国の対中輸出規制はその前奏曲である可能性が高い。政府は通商圧力などコロナ以降に新たに浮上するリスクを綿密にモニタリングしながら、米国と持続的に意思疎通する必要がある。企業側も可能なあらゆるシナリオを想定して対策を講じることが求められる。