韓経:ポスコケミカル「負極材独立万歳」…三菱・日立も抜いた

  • 2020年4月23日

2177億ウォンを投じて世宗市に作っているポスコケミカル負極材第2工場全景。[写真 ポスコケミカル]

電気自動車バッテリーは「第2の半導体」と呼ばれる。現在の韓国の産業の主力である半導体に続く次世代成長動力という意味だ。その前に超えなければならない山がある。バッテリーに入る核心素材を国産化することだ。昨年の日本の輸出規制により素材国産化はさらに切実になった。

二次電池の2大素材である正極材と負極材をどちらも生産するポスコケミカルは積極的投資で素材国産化に飛び込んだ企業だ。生産能力だけでなく技術力を高めて世界1位の二次電池素材企業になるという目標を立てた。最近増設計画を発表したポスコケミカルの負極材工場を22日に訪れた。

◇世界のバッテリー業界が「ラブコール」

世宗市(セジョンシ)のポスコケミカル負極材第2工場に入るとすぐ敷地工事が盛んに進められていた。ポスコケミカルは昨年11月に年産2万トン規模の1段階生産ラインを本格的に稼動したのに続き、すぐ年産2万2000トン規模の2段階ライン増設に出た。

この会社は駐車場として活用している隣接用地にも工場を増設し、2023年までに生産量を年10万5000トンまで拡大する計画だ。60キロワット時級バッテリーを搭載した電気自動車約175万台に供給できる量だ。同社のチョン・デホン負極素材室長は「電気自動車と二次電池需要が予想より早く増加している。市場を先取りするため積極的増設が必要だ」と話した。

負極材は二次電池の寿命を左右する核心素材だ。負極材を生産するには黒鉛が必要だ。資源が豊富な中国と熱処理技術が発達した日本が市場を独占してきた。10年前まで全量を輸入に依存したが、ポスコケミカルが生産量を増やし国産化率を50%まで高めた。

世界市場でも品質力を前面に出して日本の三菱化学と日立を押し出しシェアを引き上げている。いまは世界の多くのバッテリーメーカーがポスコケミカルの負極材サンプルを受け取っている。供給が不足する。

難関がなかったわけではない。日本と中国に追いつくことはできないだろうという悲観的な見通しがポスコグループ内部でも出ていた。だが後発走者から鉄鋼産業を世界最高水準で育てたという自信と素材国産化で国に寄与すべきという天命が投資につながった。ポスコケミカル社長を務めた崔正友(チェ・ジョンウ)ポスコ会長の全面的な支持は事業拡張の原動力として作用した。

ポスコケミカルの閔庚浚(ミン・ギョンジュン)社長は「ポスコが最も得意なことが装置を効率的に稼動し品質を高めること。黒鉛も結局炭素の一種で、ポスコは石炭を長く研究してきたおかげで内在した技術力がある」と話した。

◇海外工場の合併・買収も検討

閔社長が語るポスコの競争力は世宗工場でも確認できた。サッカーコートより広い規模138×60メートルの工場棟の中に入ると8基の設備ラインがぎっしりと並んでいた。工場は激しく稼動していたが、人の姿は見られなかった。原料投入と包装材作業を除いた残りの工程はすべて自動化され、6人だけが工場内で働く。スマート工場で生産性と品質競争力を引き上げ、先発走者だった日本と中国に追いつくことができたというのが同社の説明だ。

ポスコケミカルはほとんどを輸入に依存している人造黒鉛系負極材の国産化にも乗り出した。ニードルコークスを3000度に加熱して生産する人造黒鉛は天然黒鉛に比べ結晶構造が安定的なためバッテリー寿命を伸ばすことができる。価格が天然系より高く主に高級バッテリーに使われる。同社は先月人造黒鉛系負極材生産工場設立に向け2177億ウォンを投資すると明らかにした。工場は浦項(ポハン)ブルーバレー国家産業団地内に造成される。アフリカなど海外に進出して天然黒鉛原料を安定的に確保し、人造黒鉛系工場も買収合併する計画だ。

「製鉄報国」は朴泰俊(パク・テジュン)ポスコ名誉会長(故人)が1968年にポスコを設立して掲げた企業理念だ。ポスコグループは製鉄を超え「素材報国」へと進んでいる。

閔社長は「研究員は未来の国家産業に寄与するという天命意識を持って素材研究に没頭している。正極材・負極材事業を2030年までに世界市場シェア20%、売り上げ17兆ウォン規模に引き上げることが目標」と話した。