韓経:原油安の津波…韓国石油精製4社、一日700億ウォンの損失

  • 2020年4月3日

ソウルの金融情報提供会社の職員が2日、国際原油価格グラフを見ている。 ホ・ムンチャン記者

国際原油価格が1カ月間に1バレルあたり50ドルから20ドルまで急落し、石油精製・造船・建設など国内伝統産業が「収益の崖」に追い込まれている。原油価格が急落したことで、原油を精製して生産した石油製品の価格が原油導入価格よりさらに低くなっているうえ、石油関連プロジェクトが次々と中止になっているからだ。

ロシア政府が2日、原油追加増産計画はないと明らかにしたことで、この日の株式市場では石油株が瞬間的に上昇したが、原油価格が回復傾向に向かうのは難しいという見方が多い。

関連業界によると、SKイノベーション、GSカルテックス、現代オイルバンク、エスオイルの韓国石油精製4社は先月中旬から一日最大700億ウォン(約62億円)の営業損失を出していることが分かった。

先月の国内企業の精製マージン(石油製品価格-原油導入価格)は1バレルあたり-1.1ドルと、製品を生産するほど損失が生じる。これも高度化設備を100%適用した場合を仮定した数字だ。古い設備が大半の国内企業の精製マージン悪化はこれよりはるかに深刻だというのが業界の説明だ。これを考慮すると、一日250万バレルほどの石油製品を生産する国内企業の精製マージン損失金額は600億ウォンにのぼり、在庫とウォン安による為替差損を追加すれば700億ウォンまで増えるというのが、業界専門家の分析だ。中東から原油を輸送する期間に原油価格が急落し、石油製品価格はさらに落ち、製品販売損失と在庫損失が急激に増えているのだ。

ドバイ原油を基準に国際原油価格はこの2カ月間に半分(約48%下落)になった。証券業界は国内石油精製業界の1-3月期の営業損失を2兆ウォン以上と推定している。国内企業は非常経営体制に入ったが、工場稼働率を低めること以外には特に対策がないのが実情だ。

原油安の恐怖は建設・造船企業にも広がり始めている。サウジアラビアやカタールなど国内建設会社の海外受注の60%を占める中東産油国のプラント工事が中止または発注延期となっている。今年1-3月期の世界船舶発注量は236万CGT(標準貨物船換算トン数)と、1年前(820万CGT)に比べ71.2%急減(クラークソンリサーチ)した。造船業界の関係者は「原油価格が1バレルあたり50-60ドルでも少なかった海洋プラントの発注が完全に消えた」と話した。

◆「今すぐ破綻してもおかしくない」

「石油製品取引はほとんど中断した状態だ。2008年の金融危機、2014年の石油価格急落など何度か危機を経験したが、このような状況は初めてだ」。

国内大手石油精製企業所属のあるトレーダー(仲介人)は2日、最近の石油製品市場についてこのように語った。シンガポールで勤務するこのトレーダーは「買い注文がない状態で新型コロナウイルス感染症のため誰もが在宅勤務をし、取引先に会う機会もない」とし「市場全体が深刻な悲観論に包まれている」と伝えた。新型コロナの感染拡大による世界的な需要減少に産油国の増産までが重なり、米国産標準油種WTIの価格は18年ぶりの最低水準となった。

◆すべての石油製品の需要が急減

国際原油価格の下落は通常、石油精製企業には好材料として作用する。原油価格が下がれば精製マージンが増え、収益性が高まるためだ。問題は速度と需要だ。最近のように原油価格が2カ月間で半分になるほど急激に落ちたり需要が急減する場合、生産するほど損失が出る状況に直面する。

韓国企業は2カ月前の価格で中東地域から原油を輸入する。運搬船で運ばれてきた原油を蔚山(ウルサン)や麗水(ヨス)などの工場で精製し、ガソリン・軽油・航空燃料などを生産して販売する。原油が韓国に輸送される間、国際原油価格が半分になって石油製品価格が急落し、企業はマージンがマイナスに転じて在庫損失まで抱え込む二重苦に追い込まれている。

石油製品のうち航空燃料市場は状況が深刻だ。新型コロナで世界の飛行機がストップし、航空燃料の需要は1年前に比べ70%以上急減したという。航空燃料は長く保管すれば変質するため在庫にできず、国内企業は海外に安く売って処分している。大手企業の関係者は「航空燃料マージンは年初に比べてバレルあたり3ドルほど下落した。やむを得ず損失を出しながら処分しているが、4-6月期にはさらに落ちることが確実視されていて悩んでいる」と話した。

新型コロナの影響で人の移動が減り、産業生産と電力の使用も減少し、ガソリンと軽油の消費も減った。韓国注油所協会は先月25日、「新型コロナが始まった今年2月のガソリン消費は前年同月比で30%以上減少したが、3月はさらに深刻」とし、産業通商資源部に支援要請書を提出した。先月の電力予備率は平均40-50%台で推移した。電気供給能力の半分程度しか使用しなかったということだ。前年同期の電力予備率は平均20-30%だった。

◆在庫場所なく運搬船用船価格が暴騰

国内企業は石油精製を続けるしかない状況だ。工場の稼働を停止すれば再稼働に数カ月もかかるため、工場を止めることはできない。さらに、すでに契約した物量に対しては損失を覚悟してでも生産せざるを得ない状況だ。

石油製品の在庫が増えて保管するところがなくなると、原油運搬船の用船費用が暴騰する現象も生じた。サウジアラビア-蔚山路線の超大型原油運搬船(VLCC)用船費用は昨年、1バレルあたり1ドル前後だったが、今月1-2日には6.37ドルまで暴騰した。

業界関係者は「国内外の企業が原油と石油製品の在庫を保管するところがなく、原油運搬船を借りて海に浮かべている」と説明した。

◆業界「倒産してもおかしくない」

証券会社は1-3月期の国内石油精製4社の営業損失が計2兆ウォンを超えると見込んでいる。SKイノベーション(石油精製部門)が8900億ウォン、GSカルテックスが5600億ウォン、エスオイルが6700億ウォンと推算される。

国内企業は先月から非常経営体制に入った。SKイノベーションは精製工場の稼働率を100%から85%に引き下げ、現代オイルバンクも90%水準に調整した。GSカルテックスは定期保守を操り上げ、高年俸のため「夢の職場」で呼ばれたエスオイルは希望退職者の募集を検討している。

業績悪化は企業の格下げにつながり、資金調達にも影響を及ぼしている。社債の発行が難しくなり、コマーシャル・ペーパー(CP)を発行するほどだ。SKイノベーションは先月末2750億ウォン規模のCPを発行したのに続き、現代オイルバンクも最近、ほぼ同じ金額のCPを発行した。業界関係者は「今の市況が改善せずに続けば、石油精製企業は稼働率を最大50%まで下げたり、工場の閉鎖も考慮することになるだろう」とし「この状態が数カ月間続けば、どこか1社が倒産してもおかしくない状況」と述べた。