韓経:資金市場「火消し役」として動き出した韓銀…「消極的」との声も

  • 2020年3月27日

韓銀の職員が1月末、ソウル韓銀江南本部で都市銀行に供給する現金を運んでいる。 韓経DB

韓国銀行(韓銀)が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で経済が崩壊するのを防ぐため本格的に動き出した。26日に「韓国版量的緩和」を宣言しながらだ。4月から買戻し条件付き債券(RP)の売買を通じて金融機関に資金を限度なく供給することにした。今回の措置の特徴は「無制限」だ。短期資金難に直面した金融機関が保有する国債などを預ければ必要なだけ資金を出すということだ。通貨危機や金融危機の当時も見られなかった政策だ。1950年の韓銀設立以降初めてのことだ。

韓銀は韓国で新型コロナ感染拡大が始まった後、腕組みをしているという声を聞いてきた。韓国で新型コロナの変曲点は先月18日だったと、保健専門家は見ている。新天地イエス教会の31人目の患者が出て、この日、感染者が31人から51人に増えた。その後から急増して26日0時現在9214人だ。その間、大多数の国民が自発的に「社会的距離」を維持し、消費と生産が急減するなど経済に影響が出始めた。

しかし韓銀は1カ月近く経過した今月16日に政策金利を0.5%引き下げて年0.75%に調整した。その後、RP対象証券拡大、RP買い入れ、金融仲介支援貸出金利引き下げなどに入ったが、市場の不安は解消されなかった。産業銀行の李東杰(イ・ドンゴル)会長が「タブー」とされる中央銀行批判をしたのもこのためだ。李会長は20日、韓銀に「まだ問題意識が安易なのではという物足りなさがある」と指摘した。

大半の市場参加者と専門家は李会長の発言に共感を表した。特に米中央銀行の措置を見た人たちは一様に「韓銀はあまりにものろい」「韓銀が保身主義と機関利己主義に陥っている」「韓銀は火消し役として資格がない」などと批判した。

米連邦準備制度理事会(FRB)の措置は速度と規模の面で韓銀と比較できないほどだ。米国で新型コロナがビッグイシューとなったのは先月26日。トランプ大統領がインド訪問を終えて新型コロナの米国内大流行に懸念を表してからだ。FRBは速度戦に入った。3日に政策金利を0.5%引き下げたのに続き、15日にまた1%引き下げる「ビッグカット」を断行してゼロ水準に落とした。量的緩和規模も7000億ドルから4兆ドルに拡大した後、依然として市場に不安が残ると、23日に無制限の量的緩和に変えた。量的緩和とは中央銀行が金融機関が保有する国債などを買い入れて市中に資金を供給することをいう。FRBは社債や企業手形(CP)まで買い入れて、金融機関でない民間企業にも資金を直接供給することにした。

韓銀がこの日に出した「韓国版量的緩和」に対する市場の反応はひとまず悪くない。特に最近は短期資金の調達がふさがって流動性危機に陥った証券会社と与信専門金融機関に役立つと期待されている。

しかし韓銀は依然として「もの足りない」という評価を受けている。全国経済人連合会(全軽連)の権泰信(クォン・テシン)常勤副会長は「前代未聞の危機状況だが、韓銀は外国の中央銀行とは違って消極的に対応している」とし「もう少し積極的に対処してこそ黒字倒産企業が続出するのを防げる」と述べた。財界は特に、韓銀が企業に資金を直接供給する方式をためらっているため、FRBから資金を受ける米国企業に比べて競争力が落ちると懸念している。先制的な利下げのタイミングを逃したり、金融機関の資金流動性問題が発生してから遅れて措置を取るなど、政策対応がいつも遅れるという指摘もある。

韓銀内部でも韓銀が果敢に資金を供給すべきだという声が出ている。韓銀人材開発院のチャ・ヒョンジン教授はウェブマガジンに「韓銀がFRBのように大胆に金融緩和すべき時」というコラムを掲載した。専門家らは韓銀ができることは多いと考えている。政策金利をさらに引き下げる余力もある。満期が長い国債と公社債を買い入れて量的緩和の期間と規模を拡大することもできる。韓国型量的緩和は短期資金の供給にとどまっていて限界があるという指摘だ。さらに社債とCPを直接買い入れる方法もある。韓銀法に抵触するのなら政府を説得して保証を受ける方法を講じることができるという助言も出ている。

韓銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は2008年のグローバル金融危機当時、役員として当時の李成太(イ・ソンテ)総裁を支援し、韓国が危機を克服するうえで大きな役割をした。韓銀史上初めての再任となった李柱烈総裁が今回の新型コロナ危機克服でどのようなリーダーシップと決断力を見せるかが注目される。