韓経:セルコリア防ぐ「為替市場安全弁」確保したが…ウォン安は止まるのか

  • 2020年3月20日

ウォン安ドル高が進む中、韓国と米国が19日夜、600億ドル規模の通貨スワップ契約を締結し、韓国は外国人の「セルコリア」の可能性を減らす支柱を確保することになった。韓国はすでに中国やスイスなどと通貨スワップ契約を締結していて、全体スワップ限度は1328億ドル規模(限度無制限のカナダ除く)にのぼる。しかし基軸通貨国の米国との通貨スワップは重量感が違う。今後、通貨危機のような非常事態が発生すれば、あらかじめ定めた限度内で米国中央銀行からドルを引き出して使うことができる「同盟関係」を結んだということだ。それだけ国家信用度を高める効果がある。通貨スワップ締結は「韓国ウォンが米国の保護対象通貨になった」という意味もある。状況によっては米国が発券力を動員して600億ドルの限度を拡大する余地もある。

しかし危機が強まる状況で韓米通貨スワップだけで為替市場を安定させるには無理があるという見方も少なくない。金融危機当時の2008年にも韓米通貨スワップ締結後はしばらく落ちついたが、その後またウォン安ドル高が進んだ。

◆急激なウォン安ドル高

最近、ウォン安ドル高が急激に進んだ。19日のソウル外国為替市場で韓国ウォンは40ウォン値下がりした1ドル=1285.70ウォンで取引を終えた。この日のウォン安ドル高はグローバル金融危機直後の2009年3月30日(43.50ウォン)以来の最大幅となった。一時は1ドル=1296ウォンまでウォン高ドル安が進んだ。これは2009年7月14日(1ドル=1303ウォン)以来11年ぶりの水準。

恐怖を感じた外国人の離脱がウォン安ドル高を後押しした。外国人は韓国国内で最初の新型コロナ感染者が確認された1月20日からこの日まで有価証券市場で14兆3160億ウォン(約1兆2600億円)の売り越しとなった。グローバル金融危機だった2008年の外国人の年間売り越し額(25兆9000億ウォン)の半分を超える。株式売却資金を直ちにドルに両替しようとする外国人の需要が増え、ドルが不足している。この日、ウォン・ドル・スワップポイント1カ月物価格は-3.50ウォンと、4日(-4ウォン)よりは上昇したものの、グローバル金融危機直後の2009年以降最も低い水準だ。スワップポイントとは銀行間で韓国ウォンを担保にドルを貸す取引で、マイナス幅が拡大すればそれだけドル需要が増えたことを意味する。

さらに米国・欧州など主要国の株価が暴落し、マージンコール(証拠金追加納付通知)が発生したのもドル需要につながった。マージンコールとは、投資家が株式を担保に資金を借りた際、株価が下落すれば金融機関が担保・証拠金の追加や借入金の縮小を要求されることをいう。米国と欧州の株価指数を基礎資産に株価連動証券(ELS)を大規模に販売した韓国証券会社もマージンコールに対応してドルを買っているという分析が出ている。

◆通貨スワップに過度な期待は禁物

専門家は韓米通貨スワップが為替レート市場の心理的安定をある程度回復させる役割をするとみている。短期的には為替レート市場が調整様相を見せるという分析が多い。こうした雰囲気を反映するかのように19日に1ドル=1285.70ウォンで取引を終えたウォン・ドル為替レートは、域外市場では午後11時を基準に1ドル=1255.60ウォンまで値を戻した。しかしグローバル経済危機の圧力を完全に解消するのは難しいと予想される。

2008年にも韓米通貨スワップ締結後に為替レートはしばらく安定したが、その後またウォン安ドル高が進んだ。2008年10月に1ドル=1400ウォン台となった為替レートは韓米通貨スワップ締結後1ドル=1200ウォン台まで回復したが、年末にまた上昇し、翌年3月には1ドル=1550ウォンを超えるほどウォン安ドル高が進んだ。

企画財政部の関係者は「韓米通貨スワップが金融市場の恐怖を大きく緩和させたのは事実」としながらも「通貨スワップが万能薬になるという過度な期待は警戒する必要がある」と述べた。