韓経:「国民の安全のために中国人入国禁止」vs「実効性が少なく第2のTHAAD報復を懸念」=韓国

  • 2020年2月11日

中国発旅客機に乗って10日仁川(インチョン)国際空港に到着した乗客が検疫台を通過して「中国専用入国場」に移動している。キム・ヨンウ記者

青瓦台(チョンワデ、大統領府)の国民請願掲示板に掲載された「中国全域を対象に入国禁止要請」の参加人数が70万人に迫っている。中国内で新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)が広がると、入国禁止地域を湖北省から中国全域に拡大しなければならないという声が高まっている。韓国政府は9日、入国禁止地域への拡大を議論したが、今のように湖北省に限定するという結論を下した。

先月23日青瓦台国民請願掲示板に「中国人入国禁止要請」というタイトルの文章が掲載された。「中国全域を対象に入国禁止を施行してほしい」という趣旨の文章だ。今月22日まで参加(同意)人数を募集しているが、10日午後4時現在69万4000人余りが参加した。

請願文を作成した人は「北朝鮮も中国人の入国を禁止している」として「先制的な措置が必要だ」とした。青瓦台と政府は国民請願参加人数が20万人以上になると回答を出すのが原則だ。請願締め切り日の前にでも20万人を超えれば回答を得られるが、この質問には答えずにいる。

韓国政府は4日0時から中国湖北省を最近14日以内に訪問した外国人(中国人を含む)の入国を禁止している。湖北省は新型肺炎が初めて発病した武漢市が属しているところだ。韓国最大の医師団体「大韓医師協会」は入国禁止地域を中国全域に拡大しなければならないと勧告した。米国、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、北朝鮮など26カ国が中国全域を対象に入国禁止を施行中だ。

大韓医師協のチェ・デジプ会長は「中国内でさらに地域を広げ、場合によっては中国全域まで(入国禁止することを)早急に考慮してほしい」として「韓国と交流が多い所で患者が多数発生しているが、海外の流入源を遮断する感染病対応の最初の段階からまともに作動しなかった」と指摘した。野党も中国全域を入国禁止地域にする必要があるという見方だ。自由韓国党と新しい保守党はもちろん、「汎与党圏」に分類される正義党も国民の安全を理由にしたこのような主張に力を加えている。正義党の沈相ジョン(シム・サンジョン)代表は「広州など地域社会への感染が拡散している地域にも入国禁止措置を拡大する必要がある」と話した。

入国禁止地域を増やすべきという意見に反対する側では「実効性がなく経済に悪影響だけを与える恐れがある」という論理を前面に出している。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は入国禁止対象地域の拡大に対して「世界保健機関(WHO)の勧告、(入国制限)措置時の効力、国際社会動向などを全般的に考える必要がある」と話した。

与党も入国禁止の拡大に否定的だ。共に民主党の李仁栄(イ・イニョン)院内代表は先月末、あるラジオ番組に出演して「このような時こそ冷静に状況を見守る必要がある」として「感染内科の専門教授も物流と人的交流を防ぐのは実益がないという」と話した。パク・ヌンフ保健福祉部長官も「(入国禁止地域の拡大を)さまざまな側面で検討したが、状況が急変する前までは現在の状態を維持することにした」と説明した。

中国全域に入国禁止対象の地域を増やして「第2のTHAAD(高高度ミサイル防衛)報復」の事態を呼ぶ恐れがあるという点も政府には負担だ。経済部署の高官は「今年の経済成長率の目標値を昨年(2.0%)より高い2.4%と捉えた理由の中の一つが韓中関係が正常化するだろうという期待があったため」と話した。