韓経:「週52時間制のない工場に行く」…荷物まとめる外国人労働者たち

  • 2020年2月10日

今年50人以上300人未満中小規模事業所にまで週52時間労働制が拡大し中小企業が外国人材運用に困難を経験している。京畿道金浦市のある製造工場で塗装作業を準備する外国人労働者ら。ミン・ギョンジン記者

京畿道金浦市(キョンギド・キンポシ)で棚製造会社を運営するミン社長は最近外国人労働者3人の勤労契約を解除した。追加勤務手当てを受けるために「残業がもっとほしい」として怠業する労働者をこれ以上放置できなかったためだ。今年から従業員50人以上300人未満の事業所に拡大施行された週52時間労働制が外国人労働者の雇用維持などで別の変数として浮かび上がった。最低賃金急騰により人件費負担が増えた中堅・中小企業が外国人労働者の追加残業要求などに頭を痛めていることが明らかになった。

ミン社長は「不況で仕事は減っているのに外国人労働者は残業手当てをもらうために超過勤務を要求している。最低賃金引き上げにより人件費負担が厳しい状況で法律まで破ることはできないのではないか」と訴えた。続けて「不満を抱えた労働者がはばかることなく怠業し転職を要求する事業所が多いと聞いた」と付け加えた。

「コリアンドリーム」を夢見る外国人労働者に対する雇用人気は急激に落ちている。わずか数年前に人材確保競争を行っていた企業の外国人労働者申請は最近枠が埋まらない。2004年に導入された外国人労働者雇用許可制を業界の現実に合わせ大幅に手を入れるべきという指摘が出る。

雇用労働部によると今年1-3月期の中堅・中小企業の外国人労働者申請率は86.2%にすぎなかった。外国人1万4229人の枠に対し中小企業からの申請人数は1万2261人にとどまった。外国人労働者申請は2014年1-3月期に初めて定員に達しなかったのに続き5年ぶりの昨年1-3月期1万5920人の定員に1万4897人の申請にとどまり再び定員を下回った。

釜山(プサン)のある造船資機材業者代表は「韓国人が代替できない一部業務にだけ外国人を限定的に雇用している。宿食費など諸般費用と雇用維持、生産性などを考慮すれば外国人雇用のメリットは消えて久しい」と強調した。

◇外国人「週52時間制で月給減る」、50人未満の工場に転職…最低賃金・勤務時間規制に頭悩ます製造業者

いわゆる3K業種のきつい仕事を引き受け韓国の中堅・中小企業の人材空白を埋めてきた外国人労働者が悩みの種に転落した。景気不況で受注が減った上に週52時間労働制まで拡大施行され、業界は最大限残業・夜間勤務を減らしているが、外国人労働者は「仕事の多い会社に転職する」として会社側と不和を生じさせる事例が続出している。最近最低賃金が急激に上昇し彼らに支払う人件費が急増したことも中小・中堅企業が頭を痛めている理由のひとつだ。

業界は「外国人労働者雇用許可制が導入されて16年が過ぎただけに現実に合った制度整備が必要だ」と指摘する。

◇「仕事もっとほしい」怠業も辞さず

雇用労働部が9日に明らかにしたところによると、昨年中小企業の外国人労働者雇用申請率は107%と集計された。2017年に240%に達した申請率は2018年には140%に落ちるなど急落傾向だ。

労働力難が深刻な中小企業で最近外国人労働者人気が大きく落ち込んだのは複合的な理由がある。今年に入り従業員50人以上300人未満の事業所にも週52時間労働制が適用され会社側と不和を生じさせる外国人労働者が多くなったのもやはり主要な理由のひとつだ。

70人規模のある水道蛇口製造業者社長は「『残業を認めるか、他の業者に転職させてほしい』として業務から抜けた外国人労働者に頭を痛めている」と話した。結局このうち2人の契約を解除した。彼は「怠業または労働拒否は申告対象ではないので生産日程に支障をきたしても契約解除が上策」と話した。

労働時間短縮制度と残業手当てにより外国人労働者との不和が表面化し、長期勤続の割合は減る傾向だ。外国人労働者は原則的に最初の職場で継続して勤めなければならないが、事業主の承認があったり勤労基準法違反など例外的な場合に限り3年間に3度まで転職できる。

昨年同じ職場で6カ月以上1年未満勤続した外国人は13万8800人で前年比1万500人増えたが、これに対し3年以上同じ職場に従事した外国人は24万8500人で前年比7500人減った。ある金型製造業者代表は「外国人労働者もオンラインコミュニティで職場情報を活発に共有している、ほとんど現在の職場より勤務条件が劣悪でも稼ぎの良い職場に移りたがる」と話す。

◇人件費負担に苦しむ中小企業

最低賃金の急激な上昇も中小企業で外国人労働者の地位が急落した原因のひとつだ。昨年2月に中小企業中央会が外国人人材未申請事由を調査した結果、「人件費負担」を挙げる業者が34%で最も多かった。国税庁によると2018年に勤労所得税年末調整を申告した外国人労働者の総給与は14兆8263億ウォンで前年比5.9%増加した。1人当たり年間給与額は前年比3.1%増えた2590万ウォンだ。ある塗装業者代表は「2~3年前には宿食費含め1人当たり月200万ウォン程度だった人件費がいまは260万ウォンを超えた。韓国人が集まらず窮余の策として外国人労働者を最小限で使っている」と話した。

専門家らは中小企業の労働力難がさらに深刻になる前に外国人労働者に対する雇用許可制に大幅に手を入れるべきと指摘した。

中小企業研究院のノ・ミンソン研究委員は「現在の職場を辞めても3カ月以内に新しい職場を得られればペナルティがない現行制度をさらに厳格に改正すべき。任意に職場を移り一線事業所に混乱を起こすのを防止する必要がある」と助言した。

業界では給与に宿食費の一部を含ませるなど会社側の負担を減らすことを要求している。昨年中小企業中央会が外国人活用業者1422カ所を対象にしたアンケート調査によるとこのうち90%は労働者1人当たり月平均40万ウォンの宿食費を負担している。このうち61.3%は「給与と別に宿食費を負担している」と答えた。雇用許可制導入直後に安い人件費を配慮した会社側の宿食提供が慣行となったためだ。

中小企業中央会関係者は「外国人労働者は韓国人に比べ宿食費など間接費を2倍以上もらっている。産業現場で外国人の役割が少なくないだけに賃金体系を現実化する必要がある」と話している。