韓経:「日本型長期不況避けるには果敢な通貨・財政政策動員すべき」

  • 2020年1月7日

バーナンキ元米連邦準備制度理事会(FRB)議長、イエレン前FRB議長、欧州財政危機を防いだドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁[写真左から]

2008年の金融危機の際に火を消したバーナンキ元米連邦準備制度理事会(FRB)議長とそのバトンを引き継いだイエレン前FRB議長、欧州財政危機を防いだドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁が「日本型長期不況」の解決策を出した。カリフォルニア州サンディエゴで開かれた米国経済学会(AEA)でのことだ。米国、欧州、日本など先進国の経済が長期間の低金利政策にも低成長低物価を抜け出せず日本型長期不況を懸念する声が大きくなったのに伴ったのだ。

バーナンキ元議長は4日、「21世紀の通貨政策」を主題にした演説で、「FRBがマイナス金利政策の可能性を閉ざすのは失敗」と話した。

その上で「マイナス金利に関しては(好き嫌いを明確にしない)戦略的あいまい性を維持すべき」とした。欧州と日本のようにマイナス金利政策を使わなければならない状況がいつか訪れる可能性も排除できないという理由からだ。

バーナンキ元議長は「低金利でFRBが景気低迷に対し戦う手段がない」という指摘に対し、「FRBは依然として景気低迷に対抗する広範囲な手段を持っている」と反論した。その上で「量的緩和」と「フォワードガイダンス」を代表的な景気浮揚手段に挙げた。特に「中立金利が年2~3%水準なら量的緩和とフォワードガイダンスを通じ追加で3%の金利引き下げに相当する政策効果を出せる」とした。中立金利は緊縮的でも緩和的でもない金利で、米国の中立金利は現在年2%台中後半とされる。

バーナンキ元議長は2008年の金融危機の際に、利下げのほかに量的緩和とフォワードガイダンスなど「非伝統的通貨政策」を総動員して危機を収拾した。当時「無制限の資金放出は急激なインフレにつながる」という懸念が提起されたが、物価は低い水準を維持し「バーナンキ印の政策」に力を与えた。

イエレン前議長も5日に「日本型長期不況」を主題にしたセッションで、「量的緩和とフォワードガイダンスが景気浮揚効果を出せる」としてバーナンキ元議長の手を上げた。

イエレン前議長はハーバード大学のラリー・サマーズ教授の「米国経済が構造的長期停滞に陥っている」という主張に同意し、「生産性低下と高齢化により低金利が長期間続きかねない」とした。構造的長期停滞は総需要と投資不足、慢性的低成長で低物価が固定化された状態で、日本型長期不況と似た概念だ。

イエレン前議長は不況を相手に戦うためには通貨政策だけでは不十分で、財政政策も並行すべきと強調した。イエレン前議長は「通貨政策が景気低迷対応に有用な役割をすることはあるが(利下げ余力が小さいだけに)十分な手段になるのは厳しいだろう」とした。引き続き「通貨政策が唯一の政策手段になってはならない。米国は不況に相対して戦うために政府支出を増やし税金を引き下げる余力がある」とした。

ドラギ前総裁もこの日「日本型長期不況」のセッションに送った動画での演説を通じ、「欧州は日本型長期不況に陥る危険がある」と警告した。その上で「欧州はまだ(バブル崩壊後の)日本のようにデフレの罠に陥ってはいないが、時間が無制限に残っているのではない」とした。彼は「これがまさにECBが持続的に『財政政策が強力な役割をしなければならない』と要求すべき理由」と述べた。欧州がデフレーションに陥らないようにするなら通貨政策と財政政策など家用した手段を総動員しなければならないということだ。

ドラギ前総裁は2011年の欧州財政危機の時から昨年10月までECBを率いて預金金利を初めてマイナスに下げ、無制限の国債買い入れなどを通じて資金放出に出た。それでもユーロ圏19カ国は低成長を抜け出せずにおり、インフレも目標値の2%に至らなかった。

ドラギ前総裁は不況に見舞われた後、適時に果敢に対処できず長期不況に陥った日本を反面教師とすべきと指摘した。彼は「日本は1991年のバブル崩壊後に金利引き下げを躊躇し、量的緩和も2001年になって始めた。デフレショックがくれば期待インフレを高めるために多様な政策の組み合わせを遅滞なく動員しなければならない」と話した。