韓経:韓国ゲームの進出3年にわたり防ぎながら中国は韓国で16億ドルの売り上げ

  • 2019年12月31日

中国のゲーム企業が今年韓国で16億ドルを超える売り上げを記録したことがわかった。中国政府が高高度防衛ミサイル(THAAD)配備を口実に自国内で韓国産新規ゲームの流通を制限している間に上げた実績だ。

30日のゲーム業界によると、中国視聴覚デジタル出版協会ゲーム委員会(GPC)はこのほど出した「2019年中国ゲーム産業報告書」を通じ、自国ゲーム産業の今年の海外売り上げを115億9000万ドルと推定した。これは1年前より21.0%増加した規模だ。

GPCが今回初めて公開した国別の輸出比率を見ると、韓国は14.3%に達した。米国の30.9%、日本の22.4%に続き3番目に大きい輸出市場だ。金額基準では中国ゲーム企業が韓国で16億5737万ドル(約1813億3000万円)の売り上げを上げた。

これに対し韓国コンテンツ振興院は対中華圏(中国、台湾、香港)輸出額が2017年の35億8340万ドルから2018年には32億1384万ドルと4277万ドル減少したと集計した。史上初の減少だ。

韓国企業の今年の対中輸出額は減少傾向がさらに激しかったとの推定が出ている。韓国1位のネクソンは7-9月期の対中輸出額が前年同期比43.0%減少したと明らかにした。

韓国ゲーム学会のウィ・ジョンヒョン会長は「中国政府が韓国のTHAAD配備などを理由に2017年3月から自国内での韓国産新規ゲームの流通を認めていないところが大きい」と分析した。

◇中国ゲームが韓国市場進出拡大の渦中に…韓国のゲームを自国のゲームという中国政府

中国政府が韓国ゲーム企業のグローバル興行作「PUBGモバイル」(韓国での発売名:バトルグラウンドモバイル)を自国ゲームだと主張して議論が大きくなりそうだ。THAAD配備を理由に韓国産新規ゲームの自国内流通を3年にわたり制限したまま韓国産ゲームを自国産ゲームに化けさせることもはばからずにいる。

◇「PUBGモバイルが輸出牽引」

中国視聴覚デジタル出版協会ゲーム委員会(GPC)は20日に出した「2019年中国ゲーム産業報告書」で、モバイルゲーム「PUBGモバイル」の興行を中国ゲームの輸出増加要因に挙げた。中国政府傘下機関であるGPCは中国内でのゲーム発売に必要な流通許可権である「版号」の発行を管理するなど中国ゲーム産業を総括している。

GPCは今回のゲーム産業報告書で「中国のゲーム会社が独自に開発したPUBGモバイルは欧州と米国市場に成功裏に進出するなど数百カ国でダウンロード順位1位を記録した」と説明した。最近PUBGモバイルはグローバル発売1年8カ月で累積ダウンロード6億件を突破した。

しかしPUBGモバイルは韓国のゲーム企業クラフトン(旧ブルーホール)の子会社PUBGが開発したゲームだ。2017年に発売され、いまも世界的に人気を呼んでいるPCゲーム「バトルグラウンド」をモバイルバージョンに移植したものだ。ただモバイルゲームとして開発する過程で中国のゲーム企業テンセントが参加した。日本を除いた海外流通もテンセントが担当している。

これを根拠にGPCはPUBGモバイルがテンセントのゲームだと主張している。ゲーム業界関係者は「テンセントはゲーム開発と流通で重要な役割をしたが、ゲーム成功の核心はPUBGが創造したゲームの知的財産権(IP)」と話す。

◇大きくなるテンセントの影響力

PUBGはこうした中国政府の主張にも言葉を控えた。PUBG関係者は「PUBGモバイルはテンセントと共同開発したゲーム。それ以上は説明し難い」とした。

テンセントをめぐるPUBGモバイル議論は今回が初めてではない。テンセントは5月にPUBGモバイルの中国内サービスを突然中断した。代わりにテンセントは自社が開発した類似モバイルゲームである「和平精英」を流通した。さらにユーザーが既存のPUBGモバイルをアップデートすると和平精英に変わるようにした。既存のPUBGモバイルのユーザー情報もそのまま移した。

当時PUBGは何の対応をしなかった。これに対してIT業界ではテンセントがPUBGの親会社クラフトンの株の13.3%を持つ2大株主であるためとの解釈が出てきた。

テンセントが韓国ゲームのおかげで売り上げ基準世界最大のゲーム会社になったという分析もある。テンセントもやはり中国の他のゲーム会社のように2000年代中盤まで韓国ゲームを中国で流通して成長した。韓国ゲーム「クロスファイア」「ダンジョンファイター」などで毎年数兆ウォンずつ稼いだ。

テンセントは韓国ゲーム流通で確保した資金を基盤にして海外の大手ゲーム会社を相次いで買収しゲーム開発力を高めた。テンセントが主導している中国ゲーム産業の輸出額は今年115億9000万ドルを記録し初めて100億ドルを突破した。

◇韓国ゲーム産業は「ふらふら」

中国政府の規制とテンセントの影響で韓国ゲーム産業はふらついている。輸出額は2014年に中国に追い越された。2017年にはその格差が2倍以上に広がった。かつて20%以上を記録した年平均成長率は5%台に落ち込んだ。

韓国コンテンツ振興院は今年の韓国のゲーム市場規模を15兆172億ウォンと推定した。1年前より5.1%増えた規模だ。2017年に20.6%だった成長率は2年で4分の1に落ちた。新作ゲーム発売遅延、海外ゲームの攻勢、輸出環境悪化などの要因がかみ合わさって成長が鈍化した。

韓国の新規ゲームが中国に売れない間に中国の新規ゲームは200種類以上が韓国で流通した。韓国のモバイルゲーム売り上げ上位50位(30日グーグルプレイ基準)のうち12種類が2017年3月にTHAAD配備議論が始まった以降に韓国に輸出された中国ゲームだ。

韓国ゲーム学会のウィ・ジョンヒョン会長は「世界最大のゲーム市場である中国で中国政府が韓国ゲームだけ差別しているのに韓国政府は問題提起すらできずにいる」と指摘した。