韓経:「週52時間制が韓国の成長妨げる」という外国人投資家らの批判

  • 2019年11月19日

韓国政府が18日に来年施行される中小企業の週52時間労働制に対し十分な啓蒙期間を置くと明らかにしたが、中小企業界は啓蒙期間ではなく、法施行そのものを1年以上遅らせるべきと訴えている。キム・ギムン中小企業中央会会長(右から2人目)が13日に国会で李仁栄「共に民主党」院内代表(右から1人目)に会い建議書を手渡した。キム・ボムジュン記者

「週52時間労働制が韓国の経済成長率下落傾向をあおっている。韓国政府が成長鈍化を自ら招いた格好だ」(英国系投資銀行HSBC)。

世界の投資銀行と海外投資家が韓国の週52時間制に対し懸念を吐き出している。労働生産性が改善されていないのに労働投入量だけ急激に減らしたため成長鈍化傾向が深まっているという判断からだ。

18日の投資銀行業界によると、東京海上アセットマネジメントなど海外の投資家は最近米国系投資銀行のバンクオブアメリカ・メリルリンチの取り持ちで企画財政部を訪問した。彼らは韓国政府の成長率や為替見通しとともに週52時間制補完対策に対し集中的に尋ねたという。投資銀行業界関係者は「週52時間制は海外投資家が韓国政府に尋ねるおなじみのメニューのひとつ。一部投資家は『韓国が持つ資源は熱心に働く人的資源だけなのにむしろ仕事を少しだけするよう強制した理由はいったい何なのか』と尋ねたものと理解している」と話した。

HSBCは最近「韓国の成長率鈍化」という題名の顧客にだけ提供する非公開報告書を通じ、「米中貿易紛争と半導体劣勢などで厳しい時期に韓国政府が週52時間制を強行して成長率下落をあおったというのは特に痛い部分」と指摘した。また「拡張的財政政策は成長率向上の助けにはなるだろうが、無料ではないだけに財政赤字拡大だけ招くだろう」と強調した。ゴールドマンサックスも8月に出した非公開報告書で「来年から中小企業採用人材の18%ほどが週52時間制適用を受けるだろう。厳格に設計された週52時間制が総生産時間を減少させ来年の成長率を0.3ポイント引き下げるだろう」と予想する。

韓国の投資魅力が落ち先月の外国人の韓国上場株式と上場債券保有額は687兆ウォンで2年前の2017年10月の752兆ウォンより8.7%減少した。

◇「持っている資源は人だけの韓国、なぜ仕事を少しだけするよう強制するのか」

海外投資家は韓国債券や株式を取得する前にゴールドマンサックスやHSBCなどの投資銀行が作成した「韓国レポート」から見る。投資、雇用、消費、為替相場などマクロ指標の動きと政府政策方向をチェックするためだ。これで満たされない大口投資家らは直接韓国経済のコントロールタワーに会う。今年に入ってからもさまざまな投資家が企画財政部を訪れた。週52時間労働制はこのような時ごとに出てくる主要な質問のひとつだ。「海外投資家は韓国の『ばらまき式』財政政策より、急激な勤務時間短縮政策にもっと注目する。企業の競争力を落とし成長潜在力を傷つけかねないため」(外資系投資銀行関係者)という説明だ。

◇「唯一の資源」を自らしばる韓国政府

外資系投資銀行が韓国の労働政策に「苦言」を呈するのは今回だけではない。国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)のほか多くの海外投資銀行が労働市場改革を注文した。HBSCとゴールドマンサックスはその中でも週52時間制だけを指摘した。HSBCは最近刊行した「韓国の成長率鈍化」という非公開報告書で、「米中貿易戦争と半導体劣勢でそうでなくても厳しい時期に、韓国政府が労働時間供給を減らす政策を展開して成長率鈍化を加速させる結果を生んだ」と指摘した。

HSBCはこの2年間に韓国の労働供給量を引き下げた主犯として週52時間制を指摘した。週36時間以上の労働者の割合が2016年1~8月の80.0%から今年1~8月には77.9%と小幅に減ったのに比べ、主に正規職である45時間以上の労働者の割合は同じ期間に45.1%から37.4%に急減したためだ。HSBCは「この2年間で韓国の労働者の勤務時間は通貨危機や金融危機の時よりさらに大きく減った。(労働生産性はそのままなのに)労働供給量だけ減らせば生産量は落ちるほかない」と強調した。

ゴールドマンサックスも「アジアの虎たちが体験する厳しい1年」という非公開報告書で、「韓国は供給部門でのショックが成長の障害になりかねない。週52時間制により総生産時間が減り、来年の成長率を0.3ポイント引き下げるだろう」とした。

ある外資系証券会社関係者は「韓国政府は『コリアディスカウント(韓国市場低評価)』の原因を不透明な支配構造など企業のせいにするが、相当数の海外投資家はむしろ週52時間制、急激な最低賃金引き上げなど副作用が予想される政策を前後の見境もなく強行した政府が問題だとみている」と話した。

◇「財政は無料ではない」

HSBCは韓国の拡張的財政政策も問題にした。HSBCは「韓国政府の財政拡大政策が数年間続くだろう。来年の経済には役立つだろうが、これは無料ではない」と警告した。続けて 「昨年国内総生産(GDP)の0.5%だった管理財政収支赤字規模が今年は1.9%、来年は3.6%に増加するだろう」と付け加えた。

ゴールドマンサックスは日本の輸出規制をリスク要因に挙げた。ゴールドマンサックスは報告書で「韓日貿易対立がサプライチェーンを崩壊させかねない。これは投資家に負担として作用する恐れがある」とした。

海外投資銀行は週52時間制など生産性を下げる韓国政府の政策と米中貿易紛争の長期化などを理由に韓国の成長見通しを下げ続けている。国際金融センターが集計する主要投資銀行9社の今年の成長見通し平均は1.9%だ。このうちHSBCの2.0%を除いた8社が今年の韓国の成長率を1%台と予想した。バンクオブアメリカ・メリルリンチは今年の1.8%より来年が1.6%とさらに悪化するとみた。UBSも今年の1.9%に続き来年も1.9%で成長率が2%に満たないと予想した。

海外投資銀行が先を争って韓国の成長見通しを引き下げ海外の大口投資家らも韓国の証券市場から徐々に手を引いている。金融監督院によると先月の外国人の韓国上場株式保有額は560兆5790億ウォンで、2年前の2017年10月の651兆2020億ウォンに比べ90兆ウォン以上減った。同じ期間に上場債券は101兆ウォンから126兆ウォンに25兆ウォン増えた。韓国政府が国債発行を増やした影響が大きいと分析される。