韓経:脱原発の請求書…「10年後に電気料金30%上がるだろう」=韓国

  • 2019年11月13日

脱原発と再生可能エネルギー拡大政策により2030年には電気料金が2017年に比べ30%ほど上がるという専門家の分析が出された。物価上昇率を考慮せず原発利用率縮小と再生可能エネルギー拡大にともなう費用だけを計算した数値だ。「エネルギー転換政策による電気料金上昇要因は2030年まで10.9%にすぎない」という韓国政府の説明と対照的な結果だ。

エネルギー経済研究院のノ・ドンソク研究委員は12日、「正しい未来党」の金三和(キム・サムファ)議員が国会議員会館で開いた「エネルギー政策、われわれが進むべき道」と題する討論会に発表者として参加しこうした分析結果を発表した。

ノ研究委員によるとエネルギー転換政策により2030年まで発電費用が2017年より18.2~36.8%増え、電気料金引き上げ率も14.4~29.2%に達する見通しだ。2040年には電気料金引き上げ率が2017年と比べ32~47.1%に達すると予測された。彼は「政府は原発を減らしていく中で粒子状物質と温室効果ガス縮小に向け老朽石炭火力発電所の整理も急がなければならない状況。これを液化天然ガス(LNG)発電に切り替え再生可能エネルギー電力網を構築するのにも費用投入は避けられない」と説明した。

◇「電気料金引き上げは不可避、政府は世論の顔色うかがい未来世代の負担拡大」

電力専門家らは「脱原発政策にともなう費用は増えるのに政府が世論を意識して電気料金引き上げを先送りすれば未来世代に負担を先送りすることになる」と指摘した。サムジョンKPMGのチャン・ヒョングク常務は「韓国では電気料金が原価より世論により決定されるようだ。エネルギー転換により電気料金引き上げは避けられないが、一時的にいまは電気料金を抑えて後から急激に引き上げるのが望ましいのか疑問」と話した。建国(コングク)大学電気工学科のパク・ジョンベ教授もやはり「先進国では市場原則により電気料金が決まるため電気料金引き上げをめぐる議論はない。電気料金に多くの規制が加えられる国であるほどポピュリズム(大衆人気迎合主義)政策と連動できる」と指摘した。

韓国政府は韓国電力が電気料金体系改編案をまとめれば来年上半期までに手続きに基づいて検討する方針だ。来年4月の総選挙以降に電気料金引き上げ議論を先送りした格好だ。

韓国電力の不健全化に対する懸念も続いた。韓国電力は脱原発政策が始まった2017年10-12月期に1294億ウォン赤字に転落してから昨年は2080億ウォン、今年上半期は9285億ウォンの損失を記録した。ソウル科学技術大学のユ・スンフン教授は「韓国電力の財務構造が悪化しエネルギーバリューチェーンにある多くの企業にまともに補償できなければ全産業生態系が揺らぐだろう。エネルギー産業がゾンビ産業に転落するかもしれない」と懸念する。

再生可能エネルギー義務供給制度(RPS)など政府政策費用を含めば韓国電力の負担はさらに増える。韓国電力の金鍾甲(キム・ジョンガプ)社長は最近記者らと会い、「政策費用が今年だけで7兆9000億ウォンに達し、(現政権発足前の)3年前より3兆ウォンほど増えた」と話した。ユ教授は「政府は2030年以降RPS義務量を10%以上に伸ばす方針で、韓国電力の排出権取引制費用負担も持続的に増える見通し。こうした政策費用が加われば電気料金引き上げ圧迫はさらに大きくなるだろう」と話した。

この日韓国電力側の討論者として参加した韓国電力のイム・ナクソン営業計画処長は「全発電量で原発の割合が減るほど費用が上がるほかない。政界が『脱原発』か『エネルギー転換』かという言葉に閉じ込められているが国民に『電気料金をいましっかり負担しなければ次世代で負担しなければならない』ということを十分に説明し説得させなければならない」と話した。

政府のエネルギー政策に対する懸念が大きくなっているが政府は第9次電力需給基本計画確定時期さえ決められずにいる。産業通商資源部関係者は「今年策定しなければならない第9次電力需給基本計画からは環境部の電力環境影響評価対象になった。環境部が環境影響評価をいつまでに完了するかにより電力需給基本計画確定時期が変わりかねず確答しにくい」と話した。