韓経:韓国車「生存マジノ線」崩壊…韓国GMなど3社の不振が決定打

  • 2019年11月6日

年間生産400万台。韓国自動車産業の生態系が維持されるためのマジノ線と考えられてきた数値だ。このラインが今年は崩れる状況だ。韓国GM、ルノーサムスン自動車、双龍自動車の中堅3社の長期販売不振と構造調整、慢性的高コスト、低効率生産構造などが重なった結果だ。

韓国自動車産業協会によると、現代・起亜自動車など国内自動車7社は今年1-10月に326万6698台を生産した。最悪だった前年同期(328万1211台)より0.4%少ない。このペースなら今年の生産台数は390万台に終わる見込みだ。グローバル金融危機直後の2009年(351万台)以来10年ぶりに年400万台体制が崩壊する危機を迎えている。

「生産の崖」に直面した理由は複合的だ。2017年の中国のTHAAD(高高度防衛ミサイル)報復に続き、昨年は韓国GMの群山(クンサン)工場閉鎖までが重なり、2年以上にわたり苦戦してきた後遺症が本格化しているという診断だ。今年に入って中堅3社が構造調整に入った点も悪材料として作用した。ルノーサムスンと韓国GMの労働組合の「習慣性ストライキ」も関係しているという指摘だ。

業界では国内自動車産業の基盤が揺れるという懸念が強まっている。ある自動車部品会社代表は「各部品会社は年400万台体制に合わせて設備投資を増やしてきた」とし「生産台数がさらに減れば次々と閉鎖することになるだろう」と話した。

輸入車は「疾走」を続けている。代表的な企業がメルセデスベンツだ。先月8025台を販売し、輸入車ブランドでは過去初めて月間販売台数が8000台を超えた。

韓国自動車産業の「腰」となる韓国GM、ルノーサムスン自動車、双龍自動車の中堅3社がふらついている。内需不振が続く状況で輸出も減少しているからだ。これら3社の今年の生産台数は2005年以降で最低となる見込みだ。来年以降はさらに懸念される。注目を引く新車も見られず、海外本社が配分する輸出物量の確保も容易ではないからだ。

◆10年前より少ない生産台数

韓国自動車産業協会によると、韓国GM、ルノーサムスン、双龍車は今年1-10月に58万9744台を生産した。前年同期(66万8596台)比で11.8%減少した。このペースなら今年3社の生産台数は70万台にとどまる見込みだ。2年前の3社の生産台数は90万台を超えていた。

生産台数が大きく減少したのはルノーサムスンだ。今年1-10月の累積生産台数が13万7472台と、前年同期(18万2624台)比23.3%減少した。ローグ(日産のSUV)受託契約規模が減少したからだ。日産は今年初め、ルノーサムスンの労働組合がストライキを繰り返すと、ローグ委託物量を年間10万台から6万台に縮小した。

韓国GMの生産台数も8.0%減少した。群山工場を閉鎖した昨年が「底」という予想が多かったが、今年の生産台数はさらに少ない。昨年の激しい労使対立で消費者の信頼を失ったうえ、営業網までが崩壊した結果だ。今年は新車も出せなかった。2013年まで年70万台以上生産していた韓国GMだが、今年は35万台ほどと予想されている。

双龍車の生産台数も減っている。かつては「SUVの名家」と呼ばれたが、現代自動車と起亜自動車が競争力のある新モデルを次々と出し、市場を奪われた。今年は「コランド」「チボリ」などの新車を公開したが、成績は期待以下だった。

◆「部品会社の連鎖倒産も」

来年はさらに大きな危機を迎える可能性が高い。ルノーサムスンのローグ受託生産は今年末に終わる。年間生産台数の半分ほどを占める物量が消える。ルノーサムスンはクロスオーバーモデル「XM3」の欧州輸出物量を確保するために仏ルノー本社と協議しているが容易でないという見方が多い。物量を何とか確保しても工程整備期間などを勘案すると来年末ごろ量産が可能だ。結局、来年の生産台数は10万台水準(2018年20万台)に終わる可能性が高い。

韓国GMは当分、新車なしに持ちこたえなければいけない。来年初めに出る準中型SUV「トレイルブレイザー」を除けば2022年まで大型の新車はない。同社は「トラバース」「コロラド」など米国産車両を輸入して販売する比率を増やす計画だ。これら車両は国内生産台数に含まれない。本社の米ゼネラルモーターズ(GM)の役員は最近、「韓国GMの労働組合がストライキを続ければ韓国で生産する物量の一部を他国の工場に移転する可能性がある」と警告した。韓国GMの労使は今年の賃金および団体協約交渉をまだ終えていない。

双龍車は新車開発日程を延期した。経営状況が悪化し、費用を減らすためだ。しかし新車の不在がさらなる販売・生産減少につながる悪循環に陥るという指摘もある。

業界関係者は、中堅自動車3社の生産台数が今よりさらに減れば韓国自動車産業が総体的な危機を迎えると懸念している。これら企業と取引する部品会社が連鎖的に倒産し、自動車産業の生態系が崩れるからだ。部品会社の関係者は「ルノーサムスンと韓国GMの協力会社の大半はかろうじて持ちこたえている状態」とし「自動車産業の特性上、部品会社1カ所が倒産しても自動車生産ラインが停止することもある」と話した。

大規模なリストラが避けられないという声も少なくない。生産が大幅に減れば生産職勤労者の一部が遊休人員となる。ルノーサムスンと双龍車はすでに人員削減について議論している。業界関係者は「中堅3社の来年の生産台数は今年よりさらに減るしかはない」とし「会社によっては生産職の半分を減らさなければいけない状況を迎えるかもしれない」と話した。