韓経:<任期の折り返し点を回る文政府>浮沈する南北関係「迷路」に閉じ込められ…4強外交の修復が最優先課題

  • 2019年11月4日

文在寅(ムン・ジェイン)政府が発足直後明らかにした100大国政課題の中の一つが「堂々とした4強協力外交」だ。日米中露など周辺4カ国との協力を強化して韓半島(朝鮮半島)の平和を構築するという構想だ。だが、任期の折返し点を目の前にした現在、はるかに遠い叫び声になってしまったというのが外交・安保分野専門家の診断だ。

文在寅政府の外交政策分野の中間成績表は道に迷った韓国、北朝鮮関係、揺れる韓米同盟、最悪の韓日関係、中途半端な韓露、韓中関係と要約される。過度な対北政策に偏ったせいで情勢変化を正確に読めず、このような孤立無援の外交危機を自ら招いたという評価が多い。

盧英敏(ノ・ヨンミン)青瓦台(チョンワデ、大統領)秘書室長は1日、国会運営委員会国政監査で文在寅政府の最も大きな成果が何かを尋ねる質問に「韓半島で戦争の脅威を除去したこと」と自信をもって答えた。陣営を問わず文在寅大統領就任以降、韓半島に立ち込めた戦争の恐怖が晴れたというのは大きな異見がない。

南北関係の改善は文在寅政府の主な公約の中の一つだった。いわゆる「運転者論」と象徴されてきた対北政策も現政権のアイデンティティを象徴するキーワードに選ばれた。だが、南北関係は2017年7月北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射から昨年3回にわたる南北首脳会談、そして金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が金剛山(クムガンサン)韓国側施設の撤去を指示した最近に至るまでジェットコースターに乗っているのような状況だ。

韓国政府の持続的な求愛にもかかわらず、北朝鮮はもう「通米封南(韓国を通じず米国と交渉)」を越えて「通米排南(韓国を排斥・排除して米国と交渉)」カードを切り出している。韓国側が提案した第4回南北首脳会談、長官級高官会談の提案には相次いだミサイル挑発で応じている。専門家は「対北政策が過度に楽観論に偏った側面が大きい」と指摘した。

米中競争の構図の中で南北関係が挟まっている状況、韓国と同等な交渉パートナーになろうとしている金正恩委員長の思惑を読めなかったとのことだ。カン・インドク前統一部長官は「米国、中国、ロシアなどと会談した金正恩委員長がかつてのように韓国だけを協力パートナーと感じるだろうという考えは時代遅れの発想」と話した。

韓国政府が南北問題に「オールイン」する間、4強外交の戦線には穴があいて韓米同盟には亀裂の兆しまで現れた。「米国最優先主義」を掲げているドナルド・トランプ行政府は同盟をお金、外交を取り引きと認識して韓国に数兆ウォンの防衛費分担金増額を公然と要求している。韓日関係は昨年10月、韓国大法院(最高裁)の強制徴用判決をはじめ、日本の輸出規制報復、韓国の韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了などに続き、1965年国交正常化以来最悪に追い込まれた。

THAAD(高高度ミサイル防衛)対立の感情的なしこりが残っている中国はロシアと競争するかのように韓国の航空識別区域(KADIZ)に随時侵入し、軍事的脅威を高めている。牙山(アサン)政策研究院のシン・ボムチョル安保統一センター長は「南北関係さえうまく解決されれば良いというアプローチでこれまで大事にしてきた韓米同盟や韓日米安保協力を蔑ろにした」として「新北方政策を推進するとしながらもロシア、中国とも特別な協力輪を探せずにいる」と指摘した。

専門家は文在寅政府が残りの任期の間、北朝鮮に対する「過剰没入」から抜け出して4強外交の修復に取り組むべきだと口をそろえた。漢東(ハンドン)大学国際地域学科のパク・ウォンゴン教授は「残りの任期の間、以前政より後退した4強外交の修復に取り組むべきだ」とし、「イデオロギーや過去の歴史関連強迫から抜け出して柔軟な戦略的外交術が必要だ」と強調した。対北朝鮮政策も周辺4強との関係回復の中で解決法を模索する必要があるという指摘だ。パク教授は「北核など北朝鮮に関するイシューは韓半島の周辺国家の利害関係が絡まっている高次方程式」とし「周辺国との関係がうまく解決して正常な関係が復元されれば絡まった糸も自然に解くことができるだろう」と話した。

急変する国際秩序の全体的な絵を読む実利外交が必要だという指摘だ。国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル諮問研究委員は「長期的な見識で既存政策を修正補完して国益に基づいた外交・安保戦略の再設計が必要だ」とした。