韓経:世界経済「ともにスタグネーション」の懸念拡大

  • 2019年10月15日

世界経済が一斉にスタグネーションに陥っているという診断が出てきた。スタグネーションは年間経済成長率が2~3%以下にとどまる長期的景気低迷を意味する。

フィナンシャルタイムズは13日、米シンクタンクのブルッキングス研究所と共同で分析・発表する世界経済回復トラッキング指数(TIGER指数)が8月に0.4428を記録したと報道した。これは2016年5月にマイナス0.2692を記録して以降で最低値だ。直近のピークである11.9570(2018年1月)より大きく悪化した数値だ。

この指数は金融指数、実体経済指数、投資家信頼指数などを過去平均と比較して算出する。基準点である0より大きければ景気回復を、0未満なら景気低迷を意味する。ブルッキングス研究所はこの指数がいまのところは0を上回っているが急速に落ち込んでいる点に注目した。

ブルッキングス研究所のエスワー・プラサド専任研究員は「持続的な貿易緊張と地政学的リスク、通貨政策の限定された効果などにより投資と生産が萎縮している」と分析した。続けて「各国政府が適時に構造改革に出ることができず迅速に財政政策を行わなければグローバルスタグネーションが現れるだろう」と警告した。

◇金融・実体・心理ともに萎縮、世界経済ピークから2年も経たずに「沈滞警報」

フィナンシャルタイムズとブルッキングス研究所が共同で発表する世界経済回復トラッキング指数はウォール街などで注目する経済指標のひとつだ。金融指数、実体指数、投資家信頼指数などを総合的に扱うためだ。

指数のピークは昨年1月だった。当時の数値は11.9570だ。この数値は8月に0.4428まで下落した。ブルッキングス研究所はこうした下落傾向がトランプ米大統領の保護貿易と相当な関連があるとみている。トランプ大統領は昨年初めに中国や欧州連合(EU)などが大規模な対米貿易黒字を記録するとして関税戦争に出ると宣言した。特にその後中国に対しては大規模関税を課して輸出入規制を強化するなど貿易戦争を行っている。

国別または地域別では景気鈍化の様相が多少の差を見せている。韓国は数値が最も悪い国のひとつだ。韓国の8月の数値はマイナス7.5127で基準値である0を大きく下回った。この数値が0を下回れば景気低迷に進入したことを意味する。

米国は相対的に良好な方だ。8月の数値は5.1008だった。成長率は依然として2%を上回り、失業率も3.5%と50年来の高水準という点が指数にも反映されたと分析される。中国は3.0296、日本は4.2976ですぐに沈滞に進入はしないだろうというのがブルッキングス研究所の診断だ。

だがドイツなど欧州の一部の国の状況は深刻だ。ドイツはこの数値がマイナスを示している。韓国と同じく米中貿易戦争の影響を最も大きく受けているためだ。中間財を中国に輸出してこれを加工し米国に再び輸出するグローバルサプライチェーンが崩壊した余波だ。ドイツは先月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が48.5に急落し、2013年4月以降で初めて50を割り込んだ。PMIは企業の購買担当者を対象に景気見通しを調査し発表する景気動向指標だ。50より高ければ景気拡張を、50を下回れば景気収縮を意味する。

また、ユーロ圏19カ国の先月の製造業PMIもやはり45.6で6年来の低水準を示した。ユーロ圏のサービス業PMIは52.0で前月の53.5より下落し、製造業の景気鈍化がサービス業に拡散する様相を示した。

国際通貨基金(IMF)や世界銀行など主要経済機関も相次いでグローバル景気の低迷を警告している。米ワシントンで14~20日に開かれるIMF・世界銀行年次総会の雰囲気も大きく変わらない見通しだ。ゲオルギエバIMF総裁は先週、「世界の90%に達する国の成長が鈍化する見通し」と話した。世界銀行のマルパス総裁も「今年の世界経済成長率は6月に予想した2.6%に満たないだろう」とした。今後成長見通しをさらに低くする意向を示したものだ。