韓経:「第2のザッカーバーグ」エヴァン・シュピーゲル氏、初めての訪韓…サムスン電子経営陣と会う

  • 2019年9月25日

グローバルSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のスナップチャット(Snapchat)の共同創業者であり最高経営責任者(CEO)のエヴァン・シュピーゲル氏について、「企業家」というより「有名人(celebrity)」という評価が優勢だった。2017年3月のスナップチャット上場(NYSE)により「世界で最も若い(1990年生まれ)億万長者」というスポットライトを浴びたからだ。オーストラリア出身のトップモデル、ミランダ・カーさんとの結婚でパパラッチの常連の標的になった影響も大きかった。選択の瞬間にスタッフのアドバイスを無視し、独断的な決定を下す経営スタイルもシュピーゲル氏の良くない評価の原因になった。米国の有力経済紙ウォールストリートジャーナルからは「皇帝的(imperious)経営者」という酷評を受けた。

「悪童」のイメージが強かったシュピーゲル氏が「革新のアイコン」に変わり始めたのは昨年10月からだ。スナップチャットに表示される広告を増やしたシュピーゲル氏の決定のため、ユーザーが激減したのがきっかけになった。シュピーゲル氏は「スピーディな疎通を可能にするという私たちの核心的を捨ててしまった決定であり、最大の過ちだった」と告白した。また、「よりよい方法を見つけ、来年の収益改善に一層努める」と決意を示した。それから約1年、スナップチャットは拡張現実(AR)カメラなどの新機能を数多く生み出し、再びユーザーを引き込んでいる。1日の使用者が1億8000万人に及ぶほどの人気だ。株価も最低購入代金の2倍に上昇した。

シリコンバレーの若い革新家としての地位を得たシュピーゲル氏は今月末に初めて韓国を訪問する。目的地はサムスン電子だ。「革新」を求めるサムスン電子と、サムスン電子の強力なマーケットパワーを利用したいスナップチャットの利害関係が合致したという分析が出ている。

24日、電子業界によると、シュピーゲル氏は30日、サムスン電子水原(スウォン)事業所などを訪れ、高東真(コ・ドンジン)IM情報技術&モバイル部門社長らサムスン電子幹部に会う計画だということが分かった。サムスン電子社員を対象に「革新」をテーマにした講演も予定されている。大衆の前に出ることを好まないと知られているシュピーゲル氏のスタイルを考えると、かなり「破格」の決定だという評価だ。

サムスン電子の訪問はシュピーゲル氏側の要請によるものだということが分かった。シュピーゲル氏はサムスン電子の成長過程と成功の秘訣に大きな関心を持っていると伝えられた。サムスンがこれまで培ってきた「シリコンバレー・ネットワーク」も魅力的だったという話だ。サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長がフェイスブックの創設者マーク・ザッカーバーグ氏、アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏など、グローバル「ビッグ・ショット」と幅広い人脈を築いていることで有名だ。

サムスン電子経営陣とシュピーゲル氏の会合は双方の利害関係が合致して実現した。サムスン電子の役員らは2011年の市場に登場して以来10年も経たずして「第2のフェイスブック」、「フェイスブックに替わるSNS」に挙げられるスナップチャットの「革新」のプロセスについて話を聞く機会を得ることになった。

スナップチャットは発売以来、既存の形式を壊した「革新的メッセンジャー」という評価を得つつ企業規模を育ててきた。

受信後に10秒で自動で消える「揮発性メッセージ」が代表的だ。シュピーゲル氏は「写真やメッセージが記録されるという点のためにフェイスブックなどでは率直でないコミュニケーションが行われた」とし、新たなサービスとしてフェイスブックに疲れた米国の10~20代の心に入り込んだ。現在スナップチャットは、米国の20代以下の90%以上が最も好んで使うメッセンジャーに挙げられる。

スナップチャットがグローバル情報技術(IT)のトレンドの先頭に立っているという点もサムスン電子と李副会長がシュピーゲル氏に会うべき十分な理由になるという説明だ。ユーザーの顔写真を赤ちゃんの写真のように変えたり、異なる性別の姿を見せてくれるスナップチャットの「ARフィルタ」機能は全世界のミレニオル世代(1980~2000年代初頭生まれ)の熱狂的な好評を得ている。

韓国でも5月から防弾少年団(BTS)など多くの芸能人がスナップチャットの「赤ちゃん」フィルターで撮った写真を公開し、大きな関心を受けた。電子業界の関係者は「李副会長の最大の悩みはサムスン電子の技術革新が予想より遅いという点」とし「シュピーゲル氏のキャリアと成果は李副会長とサムスン電子役員らの好奇心を引き出すのに十分だろう」と述べた。

スナップチャットとしても、サムスン電子との協業は必須だ。サムスン電子はグローバルスマートフォン市場で1位(4-6月期のシェア22.3%)を守っている。モバイルメッセンジャーが主力事業だ。シュピーゲル氏にとってサムスン電子は「逃してはならない」重要なプラットフォーム・パートナーだ。

最近、スナップチャットが意欲的に発表した「3D(3次元)セルフカメラ」機能がアップルのiPhoneにだけ適用可能なのも今回の訪韓で解決すべき課題として挙げられる。特にアジア市場で劣勢を免れずにいるスナップチャットのポートフォリオについてシュピーゲル氏のアドバイスを聞く可能性もあるという分析が出ている。スナップチャットは中国に支社を置いているが、その他のアジア地域にはオフィスがない。

一部では両社の協業が成果を出すのは「容易ではない」という見方をしている。フェイスブックの創業者ザッカーバーグ氏も2013年以降、2度サムスン電子の瑞草(ソチョ)社屋を訪問し、サムスン電子の無線事業部首脳部と会って協業案を議論したが、これといった成果は出せなかった。

電子業界の関係者は「両社の従業員が会い、協業について議論するだけでも意味がある」と述べた。