韓経:韓銀「政府1兆ウォン支出すればGDP1.27兆ウォン増加」…過度な楽観という声も

  • 2019年9月17日

韓国銀行(韓銀)が「政府が財政支出を増やせば国内総生産(GDP)はさらに大幅に増える」という分析を出した。しかしほかの機関の従来の研究とはかけ離れた結果であり、「韓銀が財政支出効果を過度に楽観的に見ているのでは」という指摘が出ている。ほとんどの経済研究機関と企画財政部は財政支出増加額に対してGDP増加額は半分ほどにとどまると推定している。

韓銀は16日、報告書「新しい財政支出識別方法を利用したわが国の政府支出乗数効果推定」を通じて、政府財政乗数が5年累積で1.27にのぼったと発表した。2000年の1-3月期から2018年7-9月期までの政府の財政支出ニュースなどを分析して算出した集計値だ。財政乗数は政府の財政支出で国民所得がどれほど増えたかを表す係数。韓銀の分析のように財政乗数が1.27なら、政府が予算を1兆ウォン支出すればGDPは1兆2700億ウォンほど増えるという意味だ。

韓銀は「政府が予算を編成した」というニュースが出始めた時点を基準に財政乗数効果を分析した。政府が実際に財政を執行した時点から乗数効果を算出した従来の研究より分析期間を操り上げたのだ。韓銀は「ニュースに接した時点から出てきた経済主体の意思決定も今回の財政乗数分析に反映した」とし「政府が武器購入のために国防費支出を拡大するというニュースが出てくれば、防衛産業業者があらかじめ投資と雇用を増やし、これはGDP拡大につながる」と評価した。

韓銀のこうした財政乗数集計値(1.27)は国内機関の分析値と大きな差がある。韓国租税財政研究院は財政執行時点から3年の累積値を0.51と推定している。現代経済研究院は0.49、国会予算政策処は0.14-0.49と集計した。財政政策を設計する企画財政部も内部的に財政乗数を0.3-0.4と推算している。

これら機関は政府の財政支出が民間の活力を落としてGDPを引き下げる「クラウディングアウト効果」を招くとみている。政府が予算を調達しようと国債を発行すれば市中の金利が上がり、それだけ消費・投資が委縮するということだ。長期的に政府の負債比率が上がって成長にマイナスの影響を及ぼす可能性もある。

ソウル大経済学科のキム・ソヨン教授は「予算支出を分野別に見ると財政乗数が0.5を下回る福祉関連支出比率がさらに増えている」とし「予算を大幅に増やしても景気浮揚効果は相対的に小さくなるしかない」と指摘した。