韓経:日本の影から脱した韓国産光学レンズ 「1000億ウォン輸出」の希望

  • 2019年9月9日

韓国光技術院の研究員が電子顕微鏡で光ファイバー素材を観察している。 [写真 韓国光技術院提供]

日本の輸出規制が始まってから2カ月ほど経過した中、韓国国内の素材・部品・装備生態系に「転禍為福」の期待が高まっている。政府が財政を集中投入しているうえ、基盤技術を研究する研究所も次々と成果を出しているからだ。素材・部品国産化の最前線にある技術研究所の成功事例を企画・連載する。

真っ暗な夜にも事物を識別できる赤外線カメラ。韓国企業が軍事および民需用として生産してきたが、核心部品は日本や欧州から輸入するしかなかった。光学ガラス素材の技術がなかったからだ。国産化の道を見つけたのは韓国光技術院だった。約6年間の研究開発(R&D)の末、源泉技術を確保して最近、国内企業に移転を完了した。

光技術院が開発した光学ガラス素材および光学レンズ技術は代表的な国産化成功事例だ。この研究所が関連技術の開発に着手したのは2012年。産業通商資源部主導の「核心防衛産業素材技術開発」プロジェクトを通じてだ。

赤外線カメラは軍事用だけでなく民間火災感知、セキュリティー監視など広い範囲に使用されるが、メーカーは核心技術を日本の五鈴精工硝子や欧州のユミコアなどに依存してきた。特に光学レンズおよびモジュールは赤外線カメラの「目」に該当する必須部品。

光技術院は昨年8月に終了したこのプロジェクトを通じて世界で3番目に「赤外線カルコゲナイドガラス」の開発に成功した。国内外の特許25件、国際論文掲載13件などの成果も出した。光技術院はこの基礎技術を国内中小企業に移転し、モバイルおよび車両用光学モジュール・カメラで計100億ウォン輸出達成に寄与した。今後、年間1000億ウォンの売上を期待している。

距離測定器やドローンなどに入るレーザーガラス素材も同じだ。光技術院は今年7月に完了した「民軍兼用技術開発」事業を通じて日本のファイバーラボなどが寡占している世界レーザーガラス市場に参入する土台を築いた。レーザーガラスは距離測定器、3次元(3D)地図(マッピング)、ドローン、ロボットなどを製造するのに活用される。

光技術院は政府の課題を受け、2014年から約5年間にわたりレーザーガラスの開発に取り組んだ。最近1550ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)波長レーザーガラス素材および光ファイバー光源技術を確保した。従来のレーザーの場合、20メートルにのぼる光ファイバーを必要としたが、光技術院が開発したフッ素リン酸塩ファイバーレーザーは30センチ未満でも同じ性能を出すことができる。この技術で国内外の特許10件および国際論文5件掲載などの成果を出した。

国内の特殊光ファイバー専門企業はこの技術を受け継いで高付加価値光源モジュールの量産を準備している。このモジュールだけで年間50億ウォンの売上高が生じると期待している。

キム・ヨンソン光技術院院長は「素材、設計、工程技術、測定評価など全周期的な技術開発で素材を産業化することが重要だ」とし「光学レンズのモジュールなどの国産化で日本輸出規制に能動的に対応できるようになった」と述べた。

光技術院は発光ダイオード(LED)、レーザー、センサー、レンズなど光を研究する目的で2000年に設立された光融合専門生産技術研究所。