韓経:「若者の通り」鍾路商圏が沈んでいく=韓国

  • 2019年8月21日

ソウルの鍾閣(チョンガク)から鍾路(チョンロ)3街駅まで続く鍾路通り。数十年にわたり「若者の象徴」だった。鍾路書籍、パイロット、金剛製靴の前はおなじみの待ち合わせ場所だった。ここに三々五々集まった若者たちは路地の「青春の通り」に入り青春の長い夜を送った。1980年代に路地にあった「ジェームズ・ディーン」「バンジュル」などは最近の言葉で「ホットプレイス」だった。鍾路2街側に行けば小脇にTOEICの本を抱え語学学校から出てくる大学生であふれていた。

◇過去の栄光は昔話…がらがらな鍾路通り

鍾路が活力を失っている。大通りのビルのあちこちに「賃貸」の張り紙が付いている。1軒おきにあるように感じられるほどだ。数年にわたり空室のビルも多い。深い沈滞のどん底に陥っている。若く変身した光化門(クァンファムン)、昔のものと現代の共存という価値を評価された益善洞(イクソンドン)、「マンソンホフ」と「コーヒー韓薬房」がある乙支路(ウルチロ)に若者たちを奪われた結果だ。

20日午後、鍾閣駅から鍾路3街駅まで歩いた。「賃貸」の張り紙をしたビルが目に入り続けた。わざわざ見つけなくても良かった。1階の地の利の良い所に出た空室だけでも15件ほどになった。大通りの両側にある60軒ほどのビルのうち4カ所中1カ所で1階が空いているという話だ。いくつかのビルはまるごと賃貸に出ていた。

空き店舗の大部分は1階だった。賃借料が高く過去には有名ブランドと大型フランチャイズがあった場所だ。アディダス、ナイキ、エンジェル・イン・アス・コーヒーなどが鍾路から去って久しい。普信閣(ポシンカク)横のパイロット、青春の通り入口のバンバンビルなど鍾路のランドマークも3年以上入居者を見つけられずにいる。過去には賃借料が高くても若者にブランドを知らせるため企業がフラッグシップストアを出していたが、これすら消えた。景気低迷で鍾路を訪れる若い消費者が減ったためだ。

◇流行に乗り遅れ…オンラインにも押され

鍾路は変化に失敗し若い消費者を周辺商圏に奪われた。ある不動産業者の話だ。「最近乙支路印刷通りが若者の間で個性的でおしゃれなスポットとしてうわさが広がり、鍾路の代わりに乙支路を訪れているようだ」。乙支路は「ニューレトロブーム」に乗った。この地域を代表するマンソンホフは「韓国のオクトバーフェスト」という別称がついた古くからあるビヤホールだ。若者たちは夜ごとマンソンホフがある路地をいっぱいに満たす。また、コーヒー韓薬房など独特な感性を持つ店が数年前からひとつふたつと誕生し、通りの雰囲気を変えた。

光化門はTタワーなどができてから変身に成功した。若者たちが集まると有名ブランドが相次いで店舗を出している。鍾路3街駅から北側の路地に位置している益善洞は車も通れない路地に多様なカフェ、飲食店、アクセサリー店が入り若者たちの観光地になった。鍾路を囲むこの3カ所は鍾路の消費者を引き込んだ。

ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)も鍾路には悪材料だった。インスタグラムに上げたくなるほどの魅力がある要素を備えた商圏だけが20~30代をひきつけられる。だが鍾路は写真を撮りたいと思わせる場所が見つからない。

純粋に商圏という単語で見ればオンラインショッピングの影響も受けた。昨年主要オフライン流通企業は9.2%のマイナス成長となったのに比べ、オンライン流通売り上げは21.6%増えた。檀国(タングク)大学不動産学科の教授は「オンライン消費活動が増え鍾路のようなソウルの代表的商圏が冷え込んだ。鍾路商圏沈滞の原因はオンライン流通拡大で説明できる」と診断した。

◇近隣の自営業者は厳しさ訴える

高い賃借料は鍾路商圏の競争力を落とした主要因だ。韓国不動産創業情報院のクォン・ガンス理事は「高い賃借料と管理費によりフランチャイズ店舗がひとつふたつと離れていき沈滞が始まった。その後空室が長期間続き沈滞はさらに深くなった」と話す。

韓国鑑定院によると、昨年の鍾路の1平方メートル当たり月平均賃貸料は3万1500ウォンだった。ソウル全体平均の2万2400ウォンより9100ウォン高かった。今年上半期にはこの金額がソウル全体平均水準まで下がってきた。だがこれでも高い水準だ。賃借料を払いながらどうにか商売をする自営業者には耐えがたい。

青春の通りで10年にわたり焼き肉店を運営するキムさんは「2年前と比べて月間売り上げが40%以上落ちた。賃借料を払うのが厳しい」と話した。賃借料が下がる速度より売り上げが減少する速度が速く、鍾路を去ろうとする商人が多いとキムさんは付け加えた。