ヨルダン「イスラム国と人質交換」…後藤さんに言及せず

  • 2015年1月29日

ヨルダン政府が自国のパイロットを拘束中のスンニー派原理主義武装団体「イスラム国」と人質を交換することにした。

ヨルダン政府の広報担当者は28日、国営テレビで、「ヨルダン軍パイロットのアル・カサスベさん(27)が無事に解放されれば、ヨルダン政府はイスラム死刑囚のリシャウィを釈放する準備ができている」と発表した。リシャウィ死刑囚は2005年9月、ヨルダン・アンマンのラディスンSASホテルで夫とともに自爆テロを図った後、死刑を言い渡されて10年間服役している。しかしヨルダン政府はイスラム国に拘束されている日本人人質の後藤健二さん(47)には言及しなかったと、NHKなど日本メディアは伝えた。

イスラム国は27日午後11時ごろ、ユーチューブに後藤さんの写真とともに「24時間以内に死刑囚を釈放しなければ日本人人質とヨルダン人パイロットを殺害する」という音声ファイルを掲示した。日本メディアは、リシャウィ死刑囚を釈放しない場合、アル・カサスベさんを後藤さんより先に殺害するものと解釈した。

この日、ヨルダン現地メディアは「ヨルダン政府側がリシャウィ死刑囚をアンマンに住むイラクの部族に数時間後に引き渡すことにした」とし「アンマン近郊の刑務所に収監されていたリシャウィ死刑囚がイラク国境に近い刑務所に移送された」と伝えた。

イスラム国は人質の1対1交換を主張し、後藤さんの釈放については依然として確認されていない。安倍首相この日、「極めて厳しい状況であり、ヨルダンに協力を要請した」と述べた。日本政府はイスラム国側と直接接触せず、ヨルダン側に交渉を任せているという。ヨルダン政府の発表に先立ち、現地対策本部を指揮する中山泰秀外務副大臣も「厳しい状況に変わりはない」と交渉の雰囲気を伝えた。