韓経:【コラム】日本の経済報復より警戒すべきこと

  • 2019年7月17日

1983年、当時のレーガン米大統領は商務省に日本の半導体ダンピング調査を命令した。NEC、日立、東芝など日本企業が急成長し米国の半導体産業を脅かしたためだ。マイクロンなど米国企業もダンピングと特許訴訟を提起して加勢した。当時日本の外相は現在日本の首相である安倍晋三の父である安倍晋太郎だった。日本は米国の圧力に耐えきれず1986年と1991年の2度にわたり「日米半導体協定」を締結した。

日本企業は公定価格以下で米国に半導体輸出をしないことを約束し、日本国内の外国製半導体のシェアを20%以上にするという具体的な数値まで協定に含まれた。後発走者だった韓国の半導体メーカーには機会になった。日本企業はその後半導体チキンゲームから押し出され、韓国のサムスン電子は革新を繰り返して世界1位の半導体企業になった。

◇韓日対立に微笑を浮かべる中国

2019年、日本が韓国を対象に経済報復に出た。日本の安倍首相は韓国大法院(最高裁)の強制徴用賠償判決を問題にして半導体・ディスプレーの核心素材に対する輸出規制カードを切った。戦略物資輸出の際に手続きを簡素化するホワイト国からも韓国を除くという。

安倍の経済報復にはさまざまな策略が伺える。21日の参議院選挙を控えて支持率を引き上げようという目的がひとつだ。年金問題などで支持率が落ちると韓国を叩いて保守層を結集しようとしているということだ。フィナンシャルタイムズも「日本の輸出規制は安倍が選挙で保守民族主義者の票を得ようとしたもの」と分析した。

ついでに韓国代表企業を牽制するという意図もある。日本の経済産業省が先導して準備しサムスン電子の未来技術関連素材を「精密打撃」したことからあらわれる。次は自動車核心部品を規制するだろうという話が出ている。

韓国と日本の対立が高まると中国が微笑を浮かべている。中国は2015年に製造業強化に向けた中長期戦略である「中国製造2025」戦略を発表し10%台である半導体自給率を70%まで引き上げると宣言した。半導体バリューチェーンに組み込まれともに進んできた韓国と日本の対立が相互破壊的に流れれば後発走者である中国が漁夫の利を得られる。

◇人材が核心…頭脳流出防がなくては

絡み合う韓中日産業戦争で片時も疎かにしてはならない戦闘がある。「兵力確保戦」だ。サムスンが1990年代に訪れた機会をつかめたのは技術者がいたためだ。李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン会長は「人材」を最優先に強調して日本も行き来した。日本の文部科学省傘下研究所の報告書によると、1976年から40年ほどの間に日本企業から特許技術登録に名前が載った1000人ほどの技術人材が海外に転職したが、このうち半分近い490人が韓国に来た。いまは韓国行きは鈍化し中国に多く行く。中国企業は2~3倍以上の年俸を提示して韓国から人材を引き抜いている。韓日対立の機会を逃さず半導体キャリア社員採用公告も出している。

現在の韓日対立状況は政治・外交的努力で解決しなければならない。日本でも「過去の問題のために未来の可能性を摘む権利は日韓どちらの政府にもない」(箱田哲也・朝日新聞論説委員)として安倍の輸出規制を批判する声が出ている。当面は日本の経済報復が「足下の火」だ。一致協力して火を消さなければならない。だが長い未来を見通せば人材が抜け出る「堤防の穴」がもっと大きな脅威にかもしれない。

パク・ソンワン/編集局副局長