韓経:【コラム】戦略戦争の始まり、韓国の戦略は

  • 2019年7月8日

ソニー、パナソニック、アイワ。すべて日本ブランドだ。カセットテープで音楽を聞いた1980年代。中学生にはあこがれのアイテムだった。年を重ねテレビを買う時になった1990年代中盤。テレビといえばソニーだった。鮮明な画面に追いつけるブランドはなかった。ソニーのトリニトロン技術のためということをその時はわからなかった。米国テレビ界のアカデミー賞と呼ばれるエミー賞を人ではなく技術が受賞した最初の事例を作ったその技術だ。だが2000年代後半から状況は変わった。周辺で日本ブランドはなかなか見つからない。その座をサムスン電子、LGエレクトロニクス、そしてアップルなどが占めてしまった。

◇米中日の明確な戦略

ソニーとパナソニックなどの座を米国に差し出したのなら日本はそれでも納得できただろう。日本から技術を伝授され、部品素材を持っていき産業を起こした韓国となると話は違う。韓国企業に押された日本企業は半導体、ディスプレー、テレビ、携帯電話などの市場から追い出された。日本の世論は10年前から韓国に対する敵対感を示し始めた。何かことが起きる前兆だったのかもしれない。

結局日本はアクションを起こした。最近半導体とディスプレーに使われる素材と部品の韓国向け輸出を制限し始めた。この措置が参議院選挙を控えた安倍首相の政治的行為であり、自由貿易と政治と経済の分離という原則に反した経済大国らしくない行為ということは明白だ。だが何か気がかりだ。これがすべてでないならば、緻密な戦略によりひとつひとつ進められることならば、韓国は対処する戦略を持っているのかという疑問に到達することになる。

すべての国が「戦略戦争」を行っている。米国はトランプ政権が発足してから戦略方向が明確になった。アメリカファースト。米国の利益より先に立つものはない。国際社会で強大国の調停者役のようなものは関心の外だ。十分な力を備えるまで自身を現さない韜光養晦を戦略とした中国は変わった。「製造2025」を通じ超強大国の座に上がるという野心を示した。短期的にはトランプという障壁を超えるのは容易でなさそうだが。

日本は2009年に国家戦略室を設置し長期戦略をまとめた。そして安倍首相はアベノミクスと憲法改正を通じた軍事的武装という戦略方向に向け進んでいる。米国との同盟強化から1歩進んでまねようとしているという感もある。日本は過去に米国にやられた。1970年代から日本製品が米国市場を支配すると米国はフランス、ドイツ、日本、英国などをニューヨークに呼んだ。そして日本の腕を折り円を切り上げさせる合意書にサインさせた。プラザ合意と呼ぶ。1985年ことだ。

◇もうひとつの軸は企業戦争

韓半島(朝鮮半島)をめぐる国同士の戦略戦争が激しい。これは単純な政府間戦争ではない。戦争のまた別の主体が登場する。企業だ。「現代戦争の勝敗は軍艦と軍隊の数ではなく世界市場を掌握している企業数により決まる」という話がある。現実だ。米国は自身の戦略の邪魔になる中国を牽制するためファーウェイに砲弾を降り浴びせた。日本はサムスン電子とSKハイニックスなど韓国代表企業を戦場に呼び出した。企業が国家戦略の旗手の役割をする格好だ。

2019年夏。日本が核心素材と部品の対韓輸出を制限することにより戦略戦争は水面上に姿を現した。今回の事件はあたかも韓国社会に質問を投げかけるようだ。「韓国は戦略戦争に出る国家戦略を持っているのか。企業はその戦略でどんな位置を占めるのか」。

キム・ヨンジュン/生活経済部長