韓経:【社説】「不確実性さらに拡大した」という韓国経済、通貨・財政だけでは立て直せない

  • 2019年6月27日

韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁がまた金利引き下げの可能性を示唆した。「米中貿易対立の深化、半導体景気の沈滞」を改めて取り上げてからわずか10日で同じメッセージを市場に再度投げかけたのだ。普段から「先に構造改革」を強調してきた李総裁の一昨日のメディア懇談内容を見れば金利引き下げの可能性ではなく必要性に重点が置かれたという評価も可能だ。いずれにせよ「経済が厳しいことがなぜわからないのか」という彼の反問のように、韓国経済に安全地帯がなくなっている。

「不確実性が一層大きくなった」という李総裁の総評でなくとも韓国経済が悪化し続けているのは周知の事実だ。投資と成長、生産と消費、雇用と税収など全方向で暗雲が立ち込めている。国内診断だけでなく海外の専門機関の見通しにも例外はない。悪化の一途の指標や統計は改めて言及するのも負担になる。青瓦台(チョンワデ、大統領府)が政策室長と経済首席秘書官を電撃交替したことと、通常6月末にある企画財政部の下半期経済見通しが延期されたのを見れば政府も最小限の危機意識は持っているようだ。

問題はこの難局をどのように解いていくのかだ。韓国銀行の立場では金利カードをうかがうほかはないだろう。景気好調にも引き下げ側に方向が進む米国の金利や安定した国内物価も金利引き下げをあおりかねない。だが長期間年1%台の低金利の副作用もよく見なければならない。資本離脱のほかに増える家計負債、急増する不良企業の処理問題まで見なければならない。金が金の役割をできず、貯蓄心理が消え厳しい状況に陥るリタイア者も少なくない。うごめく一部の不動産に対し「住宅価格が上がったのでなく下がった金の価値が反映されたもの」という主張も流入しては困る。低金利を圧迫するかのようにしてきた与党が特に肝に銘じることだ。

さらに国の資金ばらまきだ。支出内訳だけでなくタイミングまで曖昧になった追加補正予算編成に過度に頼ることから問題が多い。与党と政府は野党に「経済が悪いと言いながら追加補正予算になぜ協力しないのか」と責め立てるが、前提が間違いだ。追加補正予算執行で正される経済環境ではない。政府はさらに来年度も500兆ウォン以上の「スーパー予算」を公言し、健全財政の慣行的準則まで揺るがしている。経済難局が長期化する場合、過去の南欧諸国のような「財政発の経済危機」を自ら招くつもりなのか。

政府・与党は経済哲学と政策大転換で基礎から再び積み上げなければならない。当座しのぎに安易な低金利に頼れば構造改革の機会を逃しかねない。不良中小企業と限界産業に対する自然な構造調整なくして革新成長も期待しにくい。現金ばらまきから抜け出し経済体力を補強し体質をがらりと変える政策を模索する必要がある。

政府がきのう「サービス産業革新戦略」を出したが、遠隔診療など核心規制は依然として抜けている。一昨日韓国インターネット企業協会のモビリティー革新討論会であふれた現場の苦労を聞いてみれば規制廃止に対する政府の本心は依然として疑問だ。「環境が変われば政策も変わらなければならない。公正経済を先にしてから革新成長をしなければならないのではない」。金尚祖(キム・サンジョ)青瓦台政策室長はこの言葉を現在進行中である来年度の最低賃金算定と週52時間労働制など雇用・労働問題に先に適用してみるよう望む。文在寅政権の公約に深く関与した卞良均(ピョン・ヤンギュン)元政策室長の「シュムペーター式革新理論」(『経済哲学の転換』)にも助けを得られる内容は少なくないだろう。金利引き下げという甘い通貨政策や根も葉もない消耗性財政拡大では克服しにくい危機局面だ。