韓経:「韓国の最低賃金は失敗標本」…反面教師とする日本

  • 2019年6月21日

この2年間に最低賃金を30%近く引き上げた韓国は最低賃金政策の世界的な失敗例という海外メディアの指摘があった。韓国が最低賃金を急激に引き上げたため、平均賃金に対する最低賃金が過度に高くなり、副作用が膨らんだと分析された。

日本経済新聞は20日、「最低賃金上げ、世界で論争」と題した記事で、急激な最低賃金引き上げで雇用が減少し、所得格差が拡大した代表的な事例として韓国を挙げた。同紙は「主要国の最低賃金政策のうち(代表的な)失敗例は韓国」と診断し、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領の『所得主導成長』のもと、18年に最低賃金を時給6470ウォン(630円)から7530ウォンに上げたが、全国一律16%の引き上げで多くの零細業者が廃業し、雇用も減った」と紹介した。

日本経済新聞は、韓国の平均賃金に対する最低賃金の比率が昨年65%と世界最高水準になり、経済に大きな衝撃を与えたと分析した。同紙は主要国の最低賃金引き上げ効果を実証分析した結果、この比率が60%を超えれば最低賃金引き上げによる悪影響がプラスの効果を上回ると伝えた。

日本メディアが韓国の最低賃金政策を注目したのは、日本政府は最低賃金引き上げで韓国を反面教師とすべきというメッセージを伝えるためと解釈される。

日本経済新聞は韓国で最低賃金が急激に引き上げられた後、当初の政策の意図とは違い所得格差が拡大していると指摘した。所得主導成長政策を主導した洪長杓(ホン・ジャンピョ)前経済首席秘書官が政策失敗の責任から更迭された点にも注目した。アジア経済研究所の安倍誠氏は「企業側の競争力を高める規制緩和などが遅れるなか、最低賃金ばかりを急に上げたのが問題」と指摘した。

同紙は主要国の事例を分析しながら平均賃金に対する最低賃金の比率に目を向けた。この比率が60%を超えれば経済的な衝撃が大きくなるという点が各国の事例に表れているというのが同紙の報道だ。2015年に最低賃金制度を導入したドイツと今年4月に最低賃金を4.85%引き上げた英国ともに平均賃金に対する最低賃金比率が60%を下回り、経済的な副作用は大きくない。米マサチューセッツ大学のデュベ教授が1979年以降の米国各州の最低賃金引き上げ事例を分析した結果によると、米国は最低賃金が平均賃金の中央値の59%以内に分布したため、引き上げられてもすぐには雇用の減少につながらなかった。

半面、この比率が2017年に53%だった韓国は急激な最低賃金引き上げで2018年には65%と世界最高水準になった。慢性的な失業に苦しむフランス(62%)、ポルトガル(61%)もこの比率が60%を上回る。この比率が高ければ最低賃金水準が経済力に比べて過度に高いという意味であり、コロンビア(89%)、トルコ(74%)、コスタリカ(68%)などが代表的な国に挙げられる。

日本メディアが韓国の政策実験に注目したのは、日本でも最低賃金引き上げが大きな社会問題に浮上したからだ。安倍政権は今年10月に予定された消費税増税(8%→10%)を控え、消費冷え込み防止と低所得層所得増進のために当初の予定より大幅な最低賃金引き上げを推進している。日本政府は全国平均時給1000円達成時期を従来より3、4年早い2020年に繰り上げようとしている。

これに対し日本商工会議所など主要経済団体は先月、異例にも政府の方針に反発した。経済団体は「大幅な引き上げは中小企業の経営を直撃し、事業の存続を危うくする」とし「3%を上回る最低賃金引き上げ率目標を新たに設定することに強く反対する」という立場を発表した。日本商工会議所によると、中小企業の38.4%が最低賃金に達していないためやむを得ず賃金引き上げを強行した。この比率は2016年比で12.6%ポイントも上昇した。日本政府は2017年以降、毎年3%ずつ最低賃金を引き上げ、今年の全国の最低賃金平均時給は874円となっている。