韓経:準備終えた韓国造船会社「ライバルに差をつける機会」

  • 2019年6月20日

来年1月1日に施行される国際海事機関(IMO)の強化された環境規制に対応し、韓国造船・石油精製業界の動きが加速している。世界超一流技術と先制設備投資を武器に規制の強化を後発企業との差を広げる機会として活用する戦略だ。

業界によると、IMOは船舶用燃料油の硫黄酸化物含有率を現行の「3.5%未満」から「0.5%未満」に低める環境基準「IMO2020」を来年1月に発効する。IMOは海運国際基準を定める国連所属の機構で、加盟国は韓国を含む計174カ国。IMO基準に合わない船舶は加盟国の港に入港できない。

硫黄酸化物は粒子状物質などを誘発する環境汚染物質に挙げられる。船会社がIMO2020に対応する手段として▼燃料油の変更▼排ガス硫黄酸化物低減装置(スクラバー)の装着▼液化天然ガス(LNG)船の新規導入--などが挙げられる。スクラバーは直ちに対応できるが、設置費が1台あたり最高700万ドルにのぼる。

IMO2020は準備をする石油精製会社には機会になる見込みだ。国際エネルギー機関(IEA)によると、船舶油市場は一日440万バレル(1バレルは158.9リットル)規模。うち80%を高硫黄重油が占めている。IEAは来年から一日100万バレル水準の低硫黄重油市場が新しく開かれるという見方を示した。低硫黄重油は脱黄過程を追加するため高硫黄重油に比べて価格が高い。エネルギー市場分析会社ICISは0.5%低硫黄重油の精製マージン(製品価格-原油価格)が来年初め1バレルあたり27ドル水準になると予想した。

これに対応してSKイノベーションは2010年に国内石油精製業界で最初に始めた「海上ブレンディングビジネス」を昨年から拡大運営している。シンガポール沖の超大型タンカーをブレンディング用タンクとして活用し、海上で半製品を混ぜて低硫黄重油を生産する事業だ。市場の状況によって生産量を調節し、最近一日14万バレル規模に低硫黄重油の生産を増やした。SKイノベーションの関係者は「新規規制にあらかじめ対応しようという需要が多く、生産すればすぐに売れる状況」と述べた。

SKイノベーションは2017年末から1兆ウォンを投入し、減圧残油脱硫設備(VRDS)も蔚山(ウルサン)工場に建設している。高硫黄重油を低硫黄重油、軽油など高付加価値製品に転換する設備だ。来年4月から稼働に入れば一日4万バレルの低硫黄重油と軽油を生産し、年間3000億-4000億ウォンの営業利益が追加で生じると業界は見込んでいる。

造船会社はLNG船の開発に集中している。今後、環境規制が強化され、エコ船舶の需要が増えるという判断だ。

現代重工業は最近、英ロイド船級協会から従来の重油船の燃費を5-7%改善したLNG超大型原油運搬船(VLCC)技術認証(AIP)を受けた。船級協会のAIPは船主が実物を見ずに造船会社に船舶を発注できるように保証する役割をする。

現代重工業の新技術は▼LNGと重油をともに活用できる「バイヒューエル」エンジン▼原油タンクから蒸発する油の蒸気を集めて燃料として使用する揮発性化合物捕集システム▼海上の風の力をプロペラに送る風力推進技術--などを組み合わせた。

サムスン重工業も最近開発したLNG推進VLCCのAIPをロイド船級協会から受けた。サムスン重工業のVLCCは船の底と海水の間に空気層を置いて燃費を改善する「セーバーエア」が特徴だ。LNG燃料は重油よりも高いため燃費の向上で競争力を高めて対応するという説明だ。