韓経:「サムスン、ファーウェイの二の舞も」…経営陣会議を開く李副会長(1)

  • 2019年6月6日

サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長

サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が1日、半導体社長団と緊急会議を開いたのに続き、テレビ・スマートフォン・通信装備など主要事業部の経営陣と相次いでミーティングをする。業績悪化や検察の粉飾決算捜査など相次ぐ悪材料の中、役職員に危機感を抱かせるためという分析が出ている。李副会長は先端情報技術(IT)産業をめぐる米中政府の覇権戦争がサムスンの未来に大きな脅威となり得ると判断し、全社的な対策の準備を注文したことが分かった。

サムスンによると、李副会長は映像ディスプレー事業部、無線事業部、生活家電事業部、ネットワーク事業部などサムスン電子の主要事業部の経営陣と会い、グローバル経営環境点検および対策会議を順に開く計画だ。経営陣の従来の日程に支障が生じないよう、なるべく週末会議を予定している。深みのある議論をするため李副会長を含む出席者を最少化するという。

李副会長が会社の経営陣とミーティングするのは、2017年2月の国政壟断裁判控訴審で執行猶予で釈放された後に開いた経営陣懇談会以来となる。

サムスンの関係者は「李副会長は米中貿易紛争に象徴される保護貿易主義が広がれば、サムスン電子も中国ファーウェイ(華為技術)のように他国から攻撃を受ける可能性があるという危機意識を抱いている」とし「核心経営陣と顔を合わせる席を設ける主な理由」と伝えた。

◆サムスン電子、米中での売上高125兆ウォン…支障が生じれば「致命打」に

「下降中の韓国経済にサムスンが警鐘を鳴らした」。米ブルームバーグが3日に出した記事の見出しだ。韓国の経済状況と1日に李在鎔副会長が開いた半導体社長団緊急会議を対照する内容が書かれていた。経営界では「1997年の通貨危機を思い出す」という反応も出てくる。当時も政治家と政府官僚、一部の財界人が国外からの警鐘に背を向けて危機を迎えた。

◆主要事業部との連鎖ミーティング、なぜ?

サムスンは第5世代(5G)通信、人工知能(AI)、ビッグデータのような巨大な新産業の波が、従来の事業の競争力を根本的に変える可能性があると見ている。李副会長は米国・中国政府が先端産業をめぐって繰り広げる「経済覇権戦争」がサムスン電子をはじめとする国内企業にも致命的な打撃を与えかねないと懸念しているという。土曜日の1日に半導体・部品(DS)部門社長団会議を開いたのに続き、映像ディスプレー事業部、無線事業部、ネットワーク事業部、生活家電事業部など主要事業部の経営陣と連鎖ミーティングをする理由だ。

サムスン電子の関係者は5日、「李副会長は米国政府が中国政府を屈服させるためにファーウェイを集中攻撃するように、サムスンもある瞬間、特定国家から牽制を受けるかもしれないと心配している」と伝えた。李副会長が半導体社長団会議で「短期的な機会と成果に一喜一憂すべきでない。サムスンが逃してはいけない核心は長期的で根源的な技術競争力」と強調した背景だ。

サムスン電子の経営陣はいくつかのチャンネルを通じてファーウェイに対する米国政府の無差別攻撃が及ぼす影響をシナリオ別に分析している。サムスンは米中紛争の強度がさらに高まり長期化する点を強く警戒している。サムスンは米国政府が自国の安全保障を前に出しながらサムスン電子のような第3国の企業にもファーウェイなど中国系企業との取引を中断するよう要求するなど圧力を加えてくる可能性を排除していない。

経営界ではサムスン電子に対する米国企業の影響力を勘案すると、米国政府が状況によって圧力を加える可能性があると見ている。グーグルのアンドロイドOSとクアルコムの通信用半導体はサムスン電子には絶対的に必要だ。

サムスン電子が米国側に立てば中国政府から報復を受ける可能性が高い。2016年に韓国政府のTHAAD(高高度防衛ミサイル)国内配備に反発した中国政府が大々的な経済報復をし、ロッテや新世界など韓国流通グループが次々と中国事業を整理した。

サムスン電子の関係者は「米国と中国のうちどちらか一つの地域の事業に支障が生じても経営に致命的な打撃を受ける」と懸念を表した。昨年のサムスン電子の売上高(244兆ウォン、約22兆円)のうち米国(33.5%)と中国(17.7%)が占める比率は51.2%にのぼる。会社の営業利益の4分の3を占める半導体部門は米国・中国事業の比率が75%を超える。