韓経:「脱原発・所得主導経済の『コード研究』に嫌気」…離職加速する韓国国策研の研究員たち(1)

  • 2019年6月5日

李洛淵(イ・ナギョン)首相(右から3人目)が今年1月、世宗(セジョン)市国務総理世宗公館で成ギョン隆(ソン・ギョンリュン)経済人文社会研究会理事長ら同研究会傘下の政府出資研究所長と昼食懇談会を行っている。(写真=韓経DB)

国家政策の産室である国策研究機関研究人材が民間に離れている。文在寅(ムン・ジェイン)政府になって政権の国策に沿った研究結果を出すよう求める圧力が強まったうえ、2012年から研究機関のほとんどが世宗(セジョン)市など地方に移転して居住環境が悪くなった結果と見られている。

4日、国務総理室傘下の経済人文社会研究会(以下、経社研)と国策研究機関によると、昨年経社研所属26機関の正規職研究人材の退社者数は187人で、1年前(134人)に比べて28.3%増加した。今年に入り4月末までの退社者は77人に達する。2015年145人、2016年126人、2017年134人など一定の水準を維持し、昨年から政策ブレーンの離脱が急増した。

韓国開発研究院(KDI)に続き、経済部門2位シンクタンクの韓国租税財政研究院(以下、租税研)は昨年、正規職研究人材17人が離脱した。退社者が年間5人水準だったことと比較すると、「脱出ラッシュ」だ。拡張財政を好む金裕燦(キム・ユチャン)院長が昨年4月に着任した後、財政健全性を重視する研究委員たちとの間に葛藤が生じたことが主な原因だという。租税研では今年に入っても7人が離れた。原発分野を研究していたエネルギー経済研究院のある研究委員は昨年2月、地方大学教授に席を移した。政府の脱原発政策にコードを合わせることが難しかったためだという。

研究の自律性と独立性がき損されて高級頭脳の離脱が続けば、国家政策をサポートするシンクタンクとしての機能が崩れかねないとの懸念が高まっている。ある前職国策研究機関長は「研究人材が脱原発や所得主導成長など政府政策を肯定する研究を出せとの圧力を避けて脱出している」とし「研究独立性を侵害する政府とこれに呼応する『ポリリサーチャー(poli-researcher)』研究機関長の合同作品」と話した。

統一研究院は昨年12月副院長級組織だった北朝鮮人権研究センターを人道的支援を担当する人道協力研究室と合併して縮小改編した。昨年4月、「強硬太陽政策論者」と評される金錬鐵(キム・ヨンチョル)統一研究院長(現統一部長官)就任後、北朝鮮を刺激しかねないという理由でだ。統一研究院関係者は「研究縮小などで挫折した研究者が多かった」と述べた。これを反映するように、2015年と2016年それぞれ2人だった正規職研究人材退社者数は昨年6人に増えた。

2016年エネルギー経済研究院で「原発産業で36兆2000億ウォン(3兆3200億円)の生産と年間雇用9万2000人が増える」という報告書を発表したA研究委員は昨年2月、ある地方大学教授に席を移した。2017年7月の政府の脱原発宣言以降、エネルギー経済研究院は「原発の便益が思ったより大きくない」という内容の報告書を相次いで出している。エネルギー経済研究院関係者は「研究員が脱原発政策で深刻な混乱と葛藤に陥っている」と伝えた。