韓経:【コラム】今後20年も半導体に頼らなければならないのか=韓国

  • 2019年5月9日

「半導体景気はどのように見ますか?」

韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は韓国の輸出が鈍化した昨年10-12月期以降、記者懇談会が開かれるたびに毎回この質問を欠かさず受ける。記者らも執拗だ。自動車や造船など他の業種に対する質問はなくメモリー半導体業況ばかり尋ねる。そのたびに李総裁は「業界専門家らによると…」という但し書きを付けて答える。中央銀行総裁がこのように特定業種の見通しを毎回出さなければならない国がほかにあるだろうか。

コメディのような場面だが仕方がない。経済成長率を予測するのに半導体業況を省くことはできない。1-3月期に韓国が前四半期比マイナス0.3%という衝撃的な経済成長率を見せた決定的な理由も半導体投資と輸出が急減したためだ。

今年も韓国の成長率はメモリー半導体景気が左右する局面だ。韓国銀行の今年の成長見通しは2.5%だ。韓国政府は2.6~2.7%に固守し楽観論を展開している。これに対し格付け会社のムーディーズと投資銀行の野村証券は最近それぞれ2.1%と1.8%に引き下げた。理由は単純だ。政府と韓国銀行は半導体景気が下半期に回復するとみているが、ムーディーズなどは沈滞が続くと予想したのだ。これほどであれば中東諸国が石油に依存するのとほとんど変わらない。

悲しいのはこうした状況がすでに20年以上続いているという点だ。半導体偏重への懸念が出るたびに政府は非メモリー、金融、バイオ、共有経済など大げさな新産業育成案を出したが特に変わったことはない。韓国は米国、中国、日本など主要輸出競争国の中で20年前と主力品目が同じ唯一の国に挙げられる。むしろ偏重現象はさらに深刻化した。20年前に輸出でメモリー半導体が占める割合は13%前後だったが今年は21%に達する。

こうした中でグローバル産業生態系の変化の速度はますます速くなっている。この10年間に株式市場の時価総額1位企業が変わらなかった国は主要国では韓国と日本程度だ。米国は時価総額上位の座に連なっていた「煙突企業」と金融会社、石油精製企業などが抜けその座をマイクロソフトとアップル、アマゾンなどが占めた。中国も不動の1位だった工商銀行を抜きアリババとテンセントが1位争いを行っている。だが韓国は今年で20年連続サムスン電子だ。2年前から2位にはまた別のメモリー半導体メーカーであるSKハイニックスが上がっている。

20年前に8600ドルほどだった韓国の1人当たり国民所得は昨年3万ドルを超えた。産業のパラダイムもそれに合わせて進化するはずだが現実はそうでない。産業構造調整は地域利己主義と労働界の脅迫に阻まれ速度を出せずにいて、新産業の胎動は規制と既得権に縛られている。

その渦中に今年1-3月期の設備投資は実に10.8%減った。1998年1-3月期以降21年来の最大減少幅だ。別の見方をすれば予想されたことだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権は発足直前から「企業が輸出で経済を支えた時代は過ぎた」として強力な規制を予告した。発足後は心に決めたように商法、公正取引法、産業安全保健法など企業活動を固く締めつける法案を浴びせている。1-3月期に成長率ショックに直面すると政府は対外環境悪化のためという言葉を繰り返している。財政をさらに放出すれば回復すると主張する。当面の景気鈍化は金融緩和で防げるが、革新が遅れたことによる構造的沈滞はどうするのか。今後20年間さらに半導体に頼らなくてはならないのか。