【時論】原油安を経済回復の契機にするには=韓国(1)

  • 2015年2月10日

1%台にとどまっていた消費者物価(CPI)上昇率が0%台に落ちて2カ月目だ。現在の低物価長期化基調が日本の長期沈滞を踏襲するかどうかについては相反する見解がある。高齢化と内需沈滞は日本と似ているが、韓国は不動産バブルを経験せず、最近の低物価は国際原油価格の下落など外部要因が大きな比率を占めているという意見がそれだ。実際、原油と農産物の価格を除いたインフレ率は5カ月ぶりに2%台に上がり、上昇幅を拡大した。

物価上昇率が本格的にマイナスに入るかどうかについては意見が分かれるが、国際原材料価格の下落が低物価を牽引しているという点には異見がない。特に原油価格は1バレルあたり50ドル水準で、100ドルを上回っていた昨年6月に比べ半分に落ちた。原油価格の急落は需要と供給の側面でズレが生じたからだ。需要の側面では開発途上国の成長率が鈍って原油の需要が急減し、供給の側面では昨年の石油輸出国機構(OPEC)が石油生産量減産の合意に失敗した。

韓国は石油依存度が高いため、産業構造上、原油安は生産コストの下落を意味し、大きな好材料となる可能性がある。原油価格が現在の価格の10%範囲で動けば、石油を輸入するアジア地域の国内総生産(GDP)が最大0.6ポイント上昇するという分析もある。しかし原油価格の下落が光を放つには他の要件も伴わなければならないが、状況は厳しい。所得不均衡の悪化、速い高齢化、雇用創出の鈍化など、経済に活力を吹き込んで消費を刺激できる要因が不足している。

こうした状況であるため、経常黒字も喜べない。昨年の経常黒字は過去最高の894億ドルとなったが、輸出増加率は金融危機後、最も低かった。輸出増加より内需不振による輸入減少がさらに大きい典型的な「不況型黒字」だ。国際原材料価格の下落が輸入額を減少させた価格効果もあるが、輸出増加率が前年度に比べて低調だった点と内需冷え込みの影響を無視することはできない。