【時論】原油安を経済回復の契機にするには=韓国(2)

  • 2015年2月10日

原油安は韓国にそれほど良い機会にはなっていない。生産コスト削減レベルでは好材料だが、それが景気回復につながるためには解決すべき構造的な脆弱要因が多いからだ。原油価格が10%下落する時、製造業の生産コスト減少効果は韓国が1%と、日本(0.6%)や中国(0.5%)よりも高い。それだけ原油安は韓国には有利な条件だ。家計の立場でも原油価格の下落は実質購買力を高める。しかし雇用委縮、不動産貸出規制緩和による家計負債の増加などが実質所得を減少させ、原油安が作る好循環に障害物になっている。所得二極化現象も激しくなっている。勤労所得の年末調整と健康保険料改編案の白紙化をめぐり社会的な葛藤が深まるのは、二極化の深化を傍証している。経済が良くない状況でこうした政策の混乱は、政府に対する不信と社会葛藤を深めている。

政府は景気低迷と原油安の中で表れた問題点の解決に集中しなければいけない。原油安を体感できるよう物価構造を調整する一方、家計の消費を増やせる環境を作る必要がある。そのためには雇用を増やすのが最初だ。家計所得で賃金が占める比率が平均70%にのぼり、これは低所得層に向かうほど大きくなる。雇用創出効果が大きいサービス産業の規制を緩和するのも重要だ。また、税金徴収に不満がないよう合理的な税制改正案を用意する必要がある。儲けが大きいほど多く出す租税正義を実現するのが租税抵抗を減らして税収を拡大する第一歩だ。

好循環は一気に形成されるわけではない。家計の可処分所得を増やし、企業に経済改善心理を植え付ければ、物価はデフレ懸念から抜け出して安定軌道に入り、原油安は経済回復の契機になる可能性がある。