韓経:【コラム】LNGの裏切り=韓国

  • 2019年4月10日

ディーゼル車は過去「安くて燃費の良いエコカー」と呼ばれた。政府も「クリーンディーゼル」としながら普及を奨励した。ディーゼル車の販売割合は2015年に41.9%まで上がった。同年にフォルクスワーゲンの排出ガス不正による「ディーゼルゲート」が起きて状況は180度変わった。「脱ディーゼル」の余波でディーゼル車の販売は下り坂を歩いている。粒子状物質の主犯という烙印を押され、「ダーティーディーゼル」という汚名まで得た。

天然ガスを氷点下162度の状態で冷却し液体にしたのが液化天然ガス(LNG)だ。石油や石炭に比べ汚染物質の発生が少なく親環境エネルギーに挙げられる。粒子状物質排出は石炭の8分の1、硫黄酸化物と窒素酸化物などは3分の1水準とされる。

文在寅(ムン・ジェイン)政権の脱原発政策によりLNG発電は石炭発電を代替し始めた。LNGの割合は2016年の22.3%から昨年は26.8%まで高まった。だがLNG発電所が「2つの顔」を持っているということが現れている。一酸化炭素(CO)、未燃炭化水素(UHC)など有害物質を多く出しているという事実が確認されたのだ。

韓国経済新聞が入手した韓国東西発電の内部報告書を見ると、LNG発電所で一酸化炭素が最大2000ppmまで検出された。環境部が定めた焼却施設汚染物質許容基準である50ppmの40倍に達する。微小粒子状物質の原因物質のひとつに挙げられる未燃炭化水素も測定された。LNG発電所はマンション公園など都心の真ん中に建てられたところが多い。

それでも韓国東西発電は2017年末に調査をしながらもこれを伏せていた。一酸化炭素と未燃炭化水素などは汚染物質排出限度規定に含まれてもいなかった。

「親環境の代名詞」とされたLNG発電所が有害物質排出の主犯になったのは脱原発政策と無関係ではない。原子力は粒子状物質と温室効果ガス排出がほとんどなく、発電単価が最も低いエネルギー源だ。LNGの発電単価が相対的に高いため発電所はガスタービンを止めて再び稼働する方式で運営する。この過程で不完全燃焼が起き汚染物質が排出された。

100%完璧なエネルギーはない。原子力は効率性は高いが危険性を内包している。代表的な再生可能エネルギーである太陽光は山林破壊を招く。この3年間に太陽光発電用で毀損された山地は汝矣島(ヨイド)の面積290ヘクタールの15倍に達する。風力発電も山林破壊や騒音などの問題点を持っている。石炭と原子力発電所を減らしLNGと再生可能エネルギーを増やすことだけが能ではない。いくら親環境的なエネルギーでも不適切に運営すれば災害をもたらしかねない。