韓経:ノーベル経済学賞受賞者「雇用のふりをする雇用ではならない」…韓国の「公共アルバイト」に直撃弾

  • 2019年3月28日

昨年ノーベル経済学賞受賞者であるニューヨーク大学のポール・ローマー教授は27日、「最低賃金引き上げが労働需要を減少させ労働者の雇用を奪っていきかねない」と警告した。大韓商工会議所がこの日ソウル商議会館で開いた「革新成長、韓国経済が進むべき道」という主題のセミナーでだ。彼は「最低賃金引き上げ政策により雇用市場で失業者数が増えたとすれば、(この政策で)当面の問題を解決するのは難しいだろう」と診断した。ローマー教授は技術革新が成長を導くという「内生的成長理論」で昨年ノーベル経済学賞を受賞した。

◇雇用創出は民間の役割

ローマー教授は韓国政府が推進中の「所得主導成長政策」の妥当性を計る尺度として「雇用」を挙げた。彼は「所得主導成長は政府が補助金支給などを通じて推進する景気振興政策の一種。すでにさまざまな国で試みた政策だ」と説明した。続けて「政策施行結果はうまくいったり失敗したりもした。この政策で失業者数が減ったなら構わないが、むしろ増えたなら問題」と話した。

彼は雇用を創出するためには政府政策より民間の役割に注目すべきと強調した。ローマー教授は航空産業を例に挙げ、「政府は少数の担当者を雇用して航空産業の安全規制などを作って守るよう誘導する役割をするもので、航空産業雇用の大部分は民間航空会社が創出する」と説明した。

良質の雇用創出に向けた先決課題としては、労働市場の柔軟性向上を最初に挙げた。ローマー教授は「正規職雇用を増やすためには労働市場の柔軟性を育てることがひとつの対策で解答になり得る。柔軟性が増えれば新たな雇用が生まれ、若い世代は仕事を探す機会を得ることになる」と説明した。続けて「別の職場に移ること自体が容易にならなければならず、雇用主の立場で制約があってはならない」と主張した。

◇「韓国は既存の成長戦略再編すべき」

韓国政府が主導する公共雇用政策に対しては「雇用であるふりをする雇用ではならない」と批判した。ローマー教授は「人々にお金を払う時は慎重でなければならない。仕事は実質的な生産性がなければならず、特定の人員がどれだけ働けるかを測定すべきだ」と指摘した。

先進的な労使関係構築のためには政府が労使対立に介入し善し悪しを判断してはならないと線を引いた。彼は「数十年間企業活動を続けてきた組織では過去にした約束が状況によって変わることがある。政府は企業の約束履行の有無を確認するよりは労使が新たな協定を結べるよう助けになることが望ましい」と話した。

ローマー教授は韓国の経済状況に対しても鋭い分析と助言をした。彼は「韓国はこの数十年間に高成長、高くない失業率、活発な所得階層移動性を基に非常に速い経済発展を成し遂げたが最近では成長速度が過去に比べ顕著に鈍化し既存の成長戦略を再編することは避けられなくなった」と診断した。続けて「経済の持続成長は労働や資本のような量的投入より、人的資本や技術などのような質的変化にかかっている。国は人的資本を拡充するためにすべての人が仕事を通じて学習できるよう機会を提供しなければならない」と付け加えた。

彼は「善循環的成長構造」の必要性も強調した。ローマー教授は「できるだけ多くの人が企業現場で知識を蓄積し共有できるようにシステムを構築する必要がある。このように蓄積された知識が新しい技術と事業モデルを誕生させる善循環的成長構造を作ってこそ革新を促進できる」と話した。

ローマー教授は「女性人材の活用を増やさなければならない」とも主張した。彼は「韓国には高学歴女性が多いがこれまでしっかり活用されていなかった。女性人材を十分に活用できずに潜在資源として残っている現状がむしろ機会になるかもしれない」とした。